独眼流正宗

独眼レフを操る 下手っぴ写真愛好家の場末の毒舌ブログです。「頭の中に漠然とある感覚や印象を、気分や感情に左右される事なく、言葉や文字に置き換える時に、それらは初めて明確な意思や思考になる。」そのための自己反芻のようなモノでもあるので、興味のない方はスルーして下さい。

SIGMA 60-600mm でスポーツを撮る!

様々な批判を浴びながらも、東京オリンピックが開催されました。私も政府や都、そして組織委員の利権絡みとしか思えない開催強行には反対ですが、選手達にはなんの罪もありません。皆さん怪我なく、力を発揮して悔いなく戦って欲しいと思います。

都内近郊に住みながら、直に見れない五輪ですが例外が、この公道を封鎖して行った自転車ロードレースです。

つい6日前迄、Tour de Franceで過酷なレースをしていた世界のトップ選手が日本に集結しました。

そして、日本では恐らくここまで大規模な公道封鎖を行ったのは初めてだと思います。そんな中での特別感のあるレースになりました。

筆者の現住所は、封鎖の対象で身動きが取れないので、いつもの野鳥撮影ポイントに行く延長で観覧に行ってみました。自分の前に使わない大型三脚を立てて極力、蜜を避ける工夫はしましたが、ここまで人が集まるとは思ってもみませんでした。

 

場所は当ブログにも頻繁に登場する是政橋。府中市内でのパレードランを終えて、橋の手前から本格的なスタートです。スタート直後の団子状態なので、選手の通過は本当に一瞬です。

集団が動かす空気の風圧を受ける位置で世界トップレベルの自転車競技が撮れるのは、本当に人生で最初で最後だと思って挑みました。

撮影は全てNikonDf とSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSMで撮ったものを圧縮掲載です。

f:id:muramasachang:20210726174238j:image
f:id:muramasachang:20210726174340j:image
f:id:muramasachang:20210726174350j:image
f:id:muramasachang:20210726174247j:image
f:id:muramasachang:20210726174219j:image
f:id:muramasachang:20210726174259j:image
f:id:muramasachang:20210726174319j:image
f:id:muramasachang:20210726174309j:image
f:id:muramasachang:20210726174330j:image
f:id:muramasachang:20210726174228j:image

f:id:muramasachang:20210726174508j:image
f:id:muramasachang:20210726174644j:image
f:id:muramasachang:20210726174458j:image
f:id:muramasachang:20210726174519j:image
f:id:muramasachang:20210726174549j:image
f:id:muramasachang:20210726174610j:image
f:id:muramasachang:20210726174443j:image
f:id:muramasachang:20210726174632j:image
f:id:muramasachang:20210726174538j:image
f:id:muramasachang:20210726174529j:image
f:id:muramasachang:20210726174706j:image
f:id:muramasachang:20210726174620j:image
f:id:muramasachang:20210726174655j:image
f:id:muramasachang:20210726174559j:image

オフィシャルカー、チームサポートカーは3大レースと同じく沿道に手を振りながら隊列を組んで走っていきます。

筆者は若い頃に、ちょっとガチで自転車に乗っていて時期がありますが、そういった意味でも至福の10秒間でした。

 

 

lensbaby Velvet56は、果たして一粒で三度おいしいレンズなのか?【後編】

【前編】では敢えてつまらない被写体を同じ画角で撮り比べるばかりで、撮っていても面白くもない写真が並んだので、少しだけ楽しみながら撮影することにします。

身の回りに植えられている植栽でVelvet56のソフトフォーカスを活かしてみます。

先ずは、大型の建築物の敷地によくある、プランターと一体になった移動式の間仕切りブロックに植えられていたサルビア・ファルナセアです。サルビアは図鑑のように撮れてしまう事が多く、個人的には難しいと感じる花です。

f:id:muramasachang:20210712233833j:imageNikonDf × lensbaby Velvet56 1/640秒 f/1.6 ISO100 三脚使用 圧縮掲載

まるで霧の中で撮ったような幻想的なイメージです。霧吹きでも大袈裟に吹き掛けておけば「〇〇高原の朝」…みたいなタイトルをつけても誰にも疑われないでしょう。

 

f:id:muramasachang:20210712233814j:imageNikonDf × lensbaby Velvet56 1/640秒 f/1.6 ISO100 三脚使用 圧縮掲載

花の背後には巨大な建物と屋根のあるパーキングがあるような場所ですが、ソフトフォーカスが巧みに誤魔化してくれています。

 

f:id:muramasachang:20210713001452j:imageNikonDf × lensbaby Velvet56 1/4000秒 f/1.6 ISO100 三脚使用 圧縮掲載

幹線道路と、その傍の公園の仕切りの植栽で咲いていたヤエクチナシです。無理矢理f/1.6で撮っているのでちょっとやそっとのシャッタースピードでは画面全体が白トビしてしまいます。日中の撮影ですが夜明け刻の写真のようになりました。解放付近のVelvet56の描写は、あるがままに撮りたい人には不向きですが、意図的に雰囲気を創り上げたい人には面白い効果が得易いレンズと言えます。

 

 

ンタは開店前のお蕎麦屋さんの店先のプランターです。
f:id:muramasachang:20210712233851j:imageNikonDf × lensbaby Velvet56 1/640秒 f/1.6 ISO100 三脚使用 圧縮掲載


f:id:muramasachang:20210712233842j:imageNikonDf × lensbaby Velvet56 1/400秒 f/4.0 ISO100 三脚使用 圧縮掲載


f:id:muramasachang:20210712233804j:imageNikonDf × lensbaby Velvet56 1/40秒 f/16.0 ISO100 三脚使用 圧縮掲載

撮っていて思ったのは、絞っても破綻しないという特性です。主張の強い花ではありますが、濃淡のメリハリがついて個人的に「絞った方が良くね?」って感じになってきました。


f:id:muramasachang:20210712233823j:imageNikonDf × lensbaby Velvet56 1/80秒 f/16.0 ISO100 三脚使用 圧縮掲載

そこでf/16.0のまま、シャッタースピードを上げてローキー風に撮ってみました。

なんだこれ?悪くないぞ!

筆者の好みもありますが、f/1.6のふわふわ描写より全然好きです。絞っても色味がしっかりしていてコントラストが効いたメリハリのある描写です。

 

比較の為に三脚固定してますが、スナップ的に撮影してみます。舞妃蓮の花名プレートあたりにピンを置いてます。

f:id:muramasachang:20210714022311j:imageNikonDf × lensbaby Velvet56 1/4000秒 f/1.6 ISO100 三脚使用 圧縮掲載

舞妃蓮の文字は読み取れますが、少し引いた画角になると、完全に2時間ドラマで記憶喪失の被害者が、犯人を思い出す回想シーンのようなもやもや画像です。

 

f:id:muramasachang:20210714022327j:imageNikonDf × lensbaby Velvet56 1/25秒 f/16.0 ISO100 三脚使用 圧縮掲載

手前にピンで無限遠ではありませんので背景の木がややボケになっています。こうなってくると絶景でのlensbabyの撮り比べがしたくなってきます。

 

鬼怒川に懸かる鬼怒楯岩大吊橋です。

f:id:muramasachang:20210719062055j:image1/1600秒 f/1.6 ISO400


f:id:muramasachang:20210719062044j:image1/1600秒 f/2.0 ISO400


f:id:muramasachang:20210719062020j:image1/1000秒 f/2.8 ISO400


f:id:muramasachang:20210719061939j:image1/500秒 f/4.0 ISO400


f:id:muramasachang:20210719062033j:image1/320秒 f/5.6 ISO400


f:id:muramasachang:20210719062010j:image1/160秒 f/8.0 ISO400


f:id:muramasachang:20210719061959j:image1/80秒 f/11.0 ISO400


f:id:muramasachang:20210719061949j:image1/30秒 f/16.0 ISO400

撮り比べてみないと判らない事もあるものです。マニュアルフォーカスレンズの無限遠であってもf/11.0まで近景や遠景がボケています。

最もくっきり写るのが絞り最大である事が判りました。「f/4.0以上はくっきり写る」とかのレベルではなく、非常に灰汁の強い特性を持っているといえます。つまり、lensbabyVelvet56は他のレンズと同じように考えては根本的に駄目だという事が解ってきました。

 

f:id:muramasachang:20210719064432j:image1/100秒 f/16.0 ISO400

そういった特性を踏まえつつ、朝の鬼怒楯岩大吊橋の上から早朝の鬼怒川を撮影してみました。三脚に据えてますが盛大に揺れる橋からの撮影で少しブレています。このような場所では同じマニュアルフォーカスでも、やはり明るくシャッター速度が稼げるNIKKOR-S Auto 50mm F1.4のようなレンズが良い。

レンズは正に適材適所。その事を改めて思い起こさせてくれたlensbabyの試写となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

lensbaby Velvet56は、果たして一粒で三度おいしいレンズなのか?【前編】

lensbabyのVelvet56というレンズは、誠に趣のあるレンズである。その堂々とした鏡胴は中央部に僅かな膨らみを持ち、金属質な外観からは想像も出来ないほど上質なトルクの操作感は、数多の写真家を虜にする事であろう。(日本百名レンズより)

 

冒頭から、登山随筆家の深田久弥チックなで、だ・である調ですみません。

今回は、筆者のお気に入りのレンズであるlensbabyVelvet56について書いてみたいと思います。

思えば、当ブログでNikon Df が初登場した時に装填されていたのがlensbabyVelvet56でした。それ以前の愛機D7000ではオールドレンズ が使えなかったので、あまりフルサイズ用のレンズが手元に置いてなかったのも一因ですが、Df の試写に最初に装填したのが、お気に入りだったこのlensbabyでした。

ネット上の多くのレポートにあるように「ソフトフォーカス」「ハーフマクロ」二面性を持つレンズである事は有名ですが、大抵は絞ると結構シャープな写真が撮れる事には簡単にしか触れられていません。

この、ふんわり描写がVelvet56の一番のセールスポイントである事は間違いありませんが、その一面ばかりを全面に押し出して、作例の殆どが「作品」になってしまっていてるレビューも多いようです。作品として魅力的に撮れていても、作例として体を為していないとなかなか購入の判断材料にはならないと思います。

当ブログでは、筆者の写真の下手さを逆手に撮って、しっかりと面白みのない作例を載せつつ、f/4.0以上で絞った時のシャープさも含めた三面性を持つレンズとしてレポートしていこうと思います。(笑)

 

f:id:muramasachang:20210703005027j:imageNikon D7000 1/2500秒 f/2.8半 ISO100 圧縮掲載


f:id:muramasachang:20210703005037j:imageNikon D7000 1/640秒 f/2.0 ISO100 圧縮掲載

lensbabyの絞りのクリックは1.6、2.0、2.8、4.0、5.6…と大雑把に一段毎なのですが、クリックとクリックの途中で止めて撮影する事が出来ます。上段の写真はf/2.8と4.0の途中で止めて撮影しています。

先にも述べたように、lensbabyの一番の特徴は、絞りを開くと高次球面収差ソフトフォーカス風に撮れるという特性です。

高次収差というのは、目の悪い人がボヤけて見える現象。それを光学的に再現している…筆者は非常にざっくりですが、そんな感じで認識しています。少々視力の悪い人も、目を細めるとピントが合いやすくなってクッキリと見えますよね?Velvet56も同じで、絞る事でくっきりとした描写になるのです。

 

片側2車線の幹線道路の歩道の植栽でコオニユリが咲いていたので、カメラを三脚に固定してマニュアルモードで絞りを変えながら試写してみましょう。

適正露出になるようにシャッタースピードのみ都度調節します。試写のカメラはNikonDf でISOは100に固定。いつものようにJPEG撮って出しを無加工のまま圧縮して載せています。

 

f:id:muramasachang:20210710175117j:image1/4000秒 f/1.6 


f:id:muramasachang:20210710175238j:image1/4000秒 f/1.6半 


f:id:muramasachang:20210710175249j:image1/4000秒 f/2.0


f:id:muramasachang:20210710175149j:image1/4000秒 f/2.0半

 

f:id:muramasachang:20210710175300j:image1/4000秒 f/2.8


f:id:muramasachang:20210710175227j:image1/2000秒 f/2.8半


f:id:muramasachang:20210710175202j:image1/2500秒 f/4.0


f:id:muramasachang:20210710175216j:image1/800秒 f4.0半

f/2.8半からは、かなりくっきりとした描写になってくるのが判ると思います。ある程度、被写体まで距離があって露出オーバーやアンダーにならなければ、絞り解放でも滲んでボケボケになってしまうような事はありません。ただし露出が適正でないと、このレンズの難しさが突然牙を剥いてきます。

特に、後述のハーフマクロで接写している時は要注意です。他のレビューでは接写時にも芯がしっかりあるなどと書かれていたりしますが、筆者の目には自分で撮った写真でも、ふわふわに滲み過ぎていてピンボケなのか?ソフト効果なのか?の、判断が出来ないレベルの時があります。

f:id:muramasachang:20210707014711j:imageNikon Df  1/4000秒 f/1.6 ISO100 三脚使用

三脚固定して背面液晶で拡大フォーカスしてピントを合わせてますが、Dfシャッタースピードの上限である1/4000秒でも少しだけ露出オーバーで全体が滲んでしまっています。

このように、少し間違うと伝わりにくい自己満足写真になってしまうのがlensbaby Velvet56です。

筆者も特性と使い方を理解するまで、かなりの時間を要しました。果たして今も使い熟せているか?は、自分でもわかりません。

しかし、描写も色味もナチュラルで忠実。使い熟せさえすれば懐の深いレンズな事に相違なく、その試行錯誤が写真の腕を少なからず上げてくれるのではないか?と、考えています。

 

そしてVelvet56のもう一つの特徴は、最短焦点距離(レンズ先端より)13cmでの撮影が可能なハーフマクロ機能です。ただし、前述のように寄って撮る場合、絞りはf/2.8以下だと本当にピントが合ってるかも判らないほど滲みまくりになります。なので、基本的にマクロとソフト効果の併用はセンスと技術を伴わないと難しいと思っています。

魚眼レンズの写真が3枚続くと、退屈でうんざりするように、乱発すると写真を見る側の意欲を削がれてしまうように思うのです。

 

室内照明で単純なブツ撮りをしてみましょう。それぞれカメラの設定は弱アンダー気味の1/50秒 f/1.6 ISO100で、上から撮影距離は、約50cm、20cm、そして手前にピントが合うギリギリの距離で撮影しています。

f:id:muramasachang:20210710213722j:image
f:id:muramasachang:20210710213738j:image
f:id:muramasachang:20210710213751j:image

誰の頭でも形をイメージ出来る350mml缶でもこのふわふわ感なので、これが一輪、一輪かたちが微妙に違ってくる花のようなものが被写体だと、見る側はかなり疲れてしまいます。一枚だけ、そのような写真があるだけなら、とても目を惹きますが…。

 

 

 

なにかと癖の強いlensbaby Velvet56ですが【前編】だけ読んで、このレンズ面白いっ!欲しい!って方は、買って損なしのレンズだと思います。

【後編】は、花の接写と、普通の56mm単焦点レンズとして風景などを撮って、そのポテンシャルを確認していこうと思います。

 

 

つづく

 

◼️追記あり◼️思いもよらない形で、Nikonがメカニカル操作系ミラーレスを出してきた。

以前の記事で、Df-Ⅱ だけでなく、ミラーレスでZf なんて出したら楽しいと思うんだけどなぁ。…と、書いていたのですが、どうやらNikonからAPS-CZ fcというのが出るそうです。

Z fcスペシャルコンテンツ | ニコンイメージングジャパン

f:id:muramasachang:20210630045742j:image©️Nikon公式ホームページより

公式ページの内容も、カラーバリエーションやバリアングルで自撮りも撮れるなど女子ウケを狙ってるのがありありですね。

筆者の考えていたZf とは少し違いますが、これが売れてくれたら、フルサイズフォーマットの展開もあるかな?と、少し期待です。

デザインは往年のFM2だし、ボーナス時期に合わせてきた。Nikonらしくない展開ですが、これは売れると思います。

またオールドニッコールを新規参入者が買い漁って、値段が吊り上がり、程度の良いレンズが中古市場からなくなるのかなぁ…。

 

さて、シェアが被るであろうFUJIFILMのX-Tシリーズはどう対抗してくるか。個人的にはFUJIFILM好きなので、頑張って欲しいと思います。ここまで寄せて来られるてもデザインそのものはNikonのFM2だし…FUJIFILMにしたら「困ったな…」といったところかもしれませんが。

 

 

◼️追記◼️2021.7.4.5:00am

予約開始48時間で既に予約殺到。現時点で、今予約しても既に発売日に手にできるか微妙だそうです。

こんな高値で初心者向け、女子ターゲットの機種が売れるのか?と、懸念の声も多かったですが、安過ぎても所有欲が満たされない現代人の微妙なニーズを掴んだようです。

 

ギターとカメラ、初心者には何よりも見た目が大事なんです。手にしてウキウキするから接する時間も増える。時間が増えれば上手くなる。

決して、カタログスペックではないのです。

 

因みに、筆者のお薦め購入方法はボディ単体とFT-Zマウントアダプターを買うこと。

サードパーティー製も高性能で、タマ数豊富なFマウントの中古レンズが使い放題になり、キットレンズより楽しめます。

サードパーティーカメラメーカーにマウントを変えられると、ゼロから設計をやり直す必要に迫られます。Fマウントのように基本設計が同じだと、以前の製品のノウハウに、新たな設計が上積みされるので理論上、高性能になるのです。

 

Zマウントは基本的には「Fマウントで出来なかった事をして高性能化を目指す」方針が強いようなので、APS-C用レンズが大して出ない可能性もあります。FT-Zさえあれば、画角に困ることはないので思う存分、写真を楽しめると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普段は近づく事も許されない綺麗なあの子と仲良くできるレンズで花修行。

睡蓮や蓮のような水生植物の撮影で悩ましいのは、なんといっても花との距離感でしょう。手近な場所で咲いている花にはカメラやスマホを構えた大勢の人が群がり、まるで観光地の展望台のような慌しさ。

そこで今回は600mmを持ち込んで蓮の撮影にチャレンジしてみました。

 

f:id:muramasachang:20210628180006j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   380mm 1/1600秒 f/6.0 ISO400 圧縮掲載

場所は府中郷土の森にある修景池。広くはありませんが、大賀蓮(古代蓮)が鑑賞できる蓮池として、人気の高いスポットです。

ただ、修景池は石造りの縁が階段状になった噴水広場にあるような人工の池で、鑑賞の為の木道などは整備されておらず、一部を除いて少し花まで距離があります。そして、多くの種類の蓮を少しずつ育成しているため、蓮スポットとしては株が少なく、スマホや標準レンズ、120mm程度のズームレンズでは狙える花が限られてしまいます。

 

f:id:muramasachang:20210628195932j:imageNikonDf × AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR  120mm 1/50秒 f/6.3 ISO100 圧縮掲載

蓮の葉が池全体を覆ってくれているわけではないので、他の蓮池より殺風景になりがちです。これには、この修景池特有の事情があるのです。

 

f:id:muramasachang:20210628202500j:image
f:id:muramasachang:20210628202351j:image
f:id:muramasachang:20210628202421j:image
f:id:muramasachang:20210628202518j:image
f:id:muramasachang:20210628202440j:image全てiPhoneで撮影

この画像は春先に水抜き工事をしていた時のものです。このように細かく区画が分けられ、多くの品種が育てられているのが修景池の特徴で、密度はありませんが様々な品種を一度に鑑賞する事ができるのです。

 

f:id:muramasachang:20210628204412j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   600mm 1/2000秒 f/6.3 ISO400 圧縮掲載

そんな時、600mmの恩恵はやはり計り知れません。元々はゆるクラ△の最中に、登山道を外れて貴重な植物を踏み荒すことなく撮影が出来るように考えて導入したレンズですから、近づく事が出来ない水生植物の撮影にも威力を発揮するのは当然と言えば当然です。

 

f:id:muramasachang:20210628205337j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   210mm 1/2000秒 f/5.3 ISO400 圧縮掲載

Nikonの上位機種にはレンズ毎のピント微調整機能があります。春先の緊急事態宣言下に、近所の柵のある場所に出向いてはピント微調整を繰り返したので、全域に渡り概ねピントは良好です。

 

 

f:id:muramasachang:20210628211346j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   600mm 1/2000秒 f/6.3 ISO800 圧縮掲載

ピント微調整とは、写真のような細かい柵のあるような場所で撮っては微調整を繰り返して、ピント精度を突き詰めていく作業です。地味で退屈な作業ですが、工場出荷時のピントが甘いSIGMAのレンズなどは写りが一変しますので、まだやられていない方は是非お試し下さい。

 

f:id:muramasachang:20210628211804j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   500mm 1/1600秒 f/6.0 ISO400 圧縮掲載

f:id:muramasachang:20210628213133j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   300mm 1/2000秒 f/5.6 ISO400 圧縮掲載

f:id:muramasachang:20210628213154j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   600mm 1/2000秒 f/6.3 ISO400 圧縮掲載

背景に人工物があるようなシチュエーションでも超望遠のボケ効果であまり気になりません。

f:id:muramasachang:20210628214716j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   600mm 1/1600秒 f/6.3 ISO400 圧縮掲載

正味30分弱の短い写活でしたが、去年、一昨年とは違ったアプローチで楽しめました。写真の撮り方に適正こそあれ、決まりなどありません。同じ被写体であっても違ったアプローチをする事で趣きの異なる写真が撮れたりします。

遠出が憚られる今こそ、撮り慣れたポイントで新たな撮り方に挑戦する良い機会なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫陽花の季節到来!やはり花の撮影は難しい。(高幡不動編)

梅雨の晴れ間を突いて「埴沙萠チャレンジ」を敢行して参りました。場所は紫陽花のメッカ、高幡不動尊。(最近は曼珠沙華も売り込み中のようですが…)

誤解の無いよう書いておきますが「埴沙萠チャレンジ」とは、埴沙萠さんのような写真を撮るチャレンジではなく、埴沙萠さんのよう「身近な被写体にも手間暇惜しまず向き合う事」です。

 

前回、準備したモノで書き忘れがありました。

この時期、虫除けスプレー痒み止めは必需品です。人一倍、蚊に好まれる筆者。生態系の妨げにならないのなら白黒の縞模様のアイツをこの世から撲滅して欲しいとすら思っています。痒くさえならなきゃ微量の血など、分け与えてやるのは吝かでは無いのですが…。

 

この時期、高幡不動で先ず撮影したいのは八重咲きのドクダミです。紫陽花に人が群がるため気兼ねなく三脚とマクロで撮影できます。写真は同条件にするために全てNikon Df で撮影。JPEG出しで圧縮しています。

f:id:muramasachang:20210618123835j:imageMicro-NIKKOR-P Auto 55mm F3.5  1/320秒 f/8.0 ISO400 レフ板照射

Nikon Df はワイヤー式のリモートレリーズが使えるので三脚で画角を決めてピントを合わせ、セルフでレフ板を当てながら撮影しました。

フィルム時代にクロームプリントが流行った頃に憧れていた雰囲気です。笑

かつては露出を知り尽くしたプロか、マグレでしかモノに出来なかった写真も、撮れ高がその都度確認出来るデジタル時代だと、花撮影3年生でも撮れてしまいます。

つまり花の撮影は、三脚に据えて同条件で様々な露出やライティングを試しさえすればモノに出来る部分も多分にある…と、いう事です。

勿論、構図のセンスなどはどうにもなりませんが、技術的な部分は手間暇惜しまなければ、ある程度は埋める事が可能と言えます。

 

f:id:muramasachang:20210618130529j:imageMicro-NIKKOR-P Auto 55mm F3.5 1/1600秒 f/3.5 ISO400 レフ板照射

こちらはかなり陽射しの強い場所で撮影しました。普通に撮ると画面全体が明るく散漫になるので、レフ板で花だけを照らし、シャッター速度を上げてコントラストを活かした絵作りをしてみました。

 

f:id:muramasachang:20210618131704j:imageMicro-NIKKOR-P Auto 55mm F3.5+接写リング 1/320秒 f/3.5 ISO400 レフ板照射

f:id:muramasachang:20210618144818j:imageMicro-NIKKOR-P Auto 55mm F3.5   1/250秒 f/3.5 ISO400 レフ板照射

やや日陰にある花達もレフ板の柔らかい光を当てると、カメラの露出だけで色調を調整するより遥かに柔らかく、実際の色味に近くなりました。

 

次は望遠レンズの圧縮効果や、近付けない花を撮る為に持って行ったSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSMです。

f:id:muramasachang:20210618150237j:imageSIGMA 60-600mm F4.5-6.3   170mm 1/500秒 f/6.3 ISO400

今回、残念ながら群生している場所には常に多くの人が群がっていて殆ど撮る事ができませんでした。唯一、マニュアル設定で撮影準備だけしておいて、一瞬の人払いが出来た瞬間に撮れた写真です。なので、今ひとつ追い込めていませんが望遠レンズの圧縮効果は充分に発揮されていると思います。

 

f:id:muramasachang:20210618150721j:imageSIGMA 60-600mm F4.5-6.3   155mm 1/500秒 f/6.3 ISO400

茂みの中に唯一、木漏れ日が当たっていた花を狙ってみました。三脚に固定されているのでシャッター速度を微妙に調整しながら撮影し、狙い通りの見たままの絵作りが出来ました。

 

f:id:muramasachang:20210618161536j:imageSIGMA 60-600mm F4.5-6.3   480mm 1/500秒 f/6.3 ISO400

f:id:muramasachang:20210618151834j:imageSIGMA 60-600mm F4.5-6.3     600mm 1/640秒 f/6.3 ISO400
f:id:muramasachang:20210618151823j:imageSIGMA 60-600mm F4.5-6.3  280mm 1/250秒 f/5.6 ISO400
f:id:muramasachang:20210618151845j:imageSIGMA 60-600mm F4.5-6.3    600mm 1/640秒 f/6.3 ISO400

望遠レンズは、容易に近づけない場所の花を手繰り寄せる事ができる便利なツールです。最近は、素早く動き回る野鳥を手持ちで追い回していたせいか、すっかり忘れてしまっていましたが、三脚に据えてじっくりと絵を作り込む事で、超望遠ならではのボケや圧縮効果も更に楽しめる事を再確認しました。

三脚に据える事で、画角の隅々までじっくりと絵作り出来る事。そして同じ画角で様々な露出を試せる事で、狙い通りの雰囲気を写し撮ることができます。

最後に…

今回の「埴沙萠チャレンジ」7割方成功です。決して良い写真が撮れたわけではありませんが、手間暇を惜しまずに被写体に向き合う事の大切さを、改めて実感できたのは収穫でした。

ビジネス用語になりますが、PDCAサイクルという言葉があります。Plan・Do・Check・Actionを反復して、精度を突き詰めていく作業の事です。

デジタル化された写真の世界においても、フィルム時代には叶わなかったこの反復サイクルが可能になりました。

基本に立ち返り、被写体にじっくりと向き合い、トライ&エラーを繰り返す。この積み重ねこそが、人を感動させる瞬間を切り撮れる「達人」への、遥かなる長き道のりの第一歩なのだと痛感した次第です。

 

精進あるのみ!ですね。

 

 

 

 

余談ですが、晴天だったので色画用紙の出番はありませんでした。

 

 

 

 

紫陽花の季節到来!やっぱり花の撮影は難しい。(準備編)

さて、前回告知の「埴沙萠チャレンジ」の続きです。

次の撮影には、労力を惜しまずガッツリ機材を運び込む事とします。

 

先ずはローポジション対応の三脚。これは愛用のMarsaceのMT-2541/XB-2 を使う事にします。この三脚と雲台のセットは大砲レンズを装着してもビクともしない優れモノで、ラッキーな事にたまたま安く入手できて以来、愛用しています。

f:id:muramasachang:20210618052057j:image

 

近所で三脚を使って撮影してみました。レンズは前回と同じAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRJPEG出し、圧縮も同様です。

f:id:muramasachang:20210618050933j:image
f:id:muramasachang:20210618050923j:image
f:id:muramasachang:20210618050943j:image
f:id:muramasachang:20210618050953j:image

撮影センスの欠如は相変わらずですが、やはり手持ちよりしっかりと追い込む事ができます。三脚でじっくりと画角とピントを作り込めるので曇天の早朝でしたが、少しだけ雰囲気のある写真になりました。やはりセンスと技術の無さは、労力で補うのが適切です。

 

次はマクロレンズ。Micro-NIKKOR-P Auto 55mm F3.5と接写リングを用意する事にします。

オールドレンズとデジタル一眼レフの組み合わせでは、三脚が無い限りしっかりとしたマクロ撮影は難しいので、ついつい普段は端折ってしまいがちですが、今回はマクロだけでなく圧縮効果のためにSIGMA 60-600mm も持ち込む予定です。

三脚が2220g、60-600mmが2700g 。カメラバッグの重さや諸々で10kg超えになりますが、撮れ高の低さは労力でカバーです。

 

ライティングレフ、背景が雑多な時などに使う色画用紙Amazonで購入してあったモノを。

 

今回はこれらと、霧吹き、そしてバリアングル液晶を持たないカメラの必需品であるレジャーシートを持ってチャレンジしようと思います。

 

果たして、技術とセンスの無さは労力でどれだけ埋まるのか?

 

乞うご期待!笑

 



つづく