APS-C機ユーザーがフルサイズ機に買い替える時には、メーカーが同じだとしても幾つか問題になる部分があります。
フルサイズ機のメリットは
- センサーサイズからくる高画質と低ノイズ
- 被写界深度が浅いのでボケ易い
- 狭い場所では画角の広さが有利
- テンション上がる←事実
逆にデメリットは
- 本体もレンズも高額になる
- 機材が重くなる
- APS-Cの時のレンズが無駄になる(使えるメーカーでも画質のためには使いたくないのが本音)
- 性能の分、粗も目立つ
やはり、圧倒的に画質はフルサイズが上です。
適当に、その辺にフォーカスを合わせて撮ったような「テスト撮り」で、自分の技術が一気に上がったかのような、きめ細かな画質と豊かな階調の仕上がりに一瞬「ウソだろ?」と思うようなレベルです。
正直、カメラを買ったその足で駅中のコーヒーショップで充電させてもらい、テーブルの隅を試し撮りした時に、吃驚してテンション上がりました。笑
ただし、フルサイズの優位性を語る上で、フルサイズユーザーの皆さんが「画角」の事を力説するのですが、APS-Cでも16mm(35mmフィルム画角換算で24mm)から始まるズームレンズさえあれば、困るシチュエーションは極少でした。
画角が足りなきゃ下がる、下がれない場所なら広角にする。そして狭い室内ではポートレートは撮らない。大抵はこれで事足りてしまいます。
寧ろ、今までのAPS-C専用レンズが(実質)使えなくなり、替わりに高額なレンズを買い揃えなくてはならない事が一番の悩みどころではないかと思います。
フルサイズセンサーはAPS-Cの約2.3倍のセンサー面積があります。APS-C専用レンズだと、使用は出来てもセンサーの性能の半分以下の能力しか発揮されないので、これでは折角フルサイズ機にした意味がありません。
本体だけなら何とかなっても、場合よっては本体以上に値が張るレンズが沢山あります。
APS-Cで持っていたラインナップを買い揃えるまでに幾ら投資しなくてはならなくて、どれだけ先なるか?を考えて諦めた方は多いのではないかと思います。
私の場合、APS-C専用レンズはTamronの16-300mm(B016)のみで、他はフィルム時代から持っているレンズ群のため、使えるレンズが大量にありました。高額なフルサイズ対応レンズへの買い替えを、そこまで深刻に考えなくて良かった事はラッキーでした。
寧ろ20年近く前に発売された、手ぶれ補正も無い頃のTamronのA03が、逆光にやや弱いだけで、結構な解像度があった事が判り驚きました。
Nikon Df × Tamron A03 28-200mm F3.8-5.6
なんて事のない裏山で、12月の寒空の下に降り注ぐ陽射しを撮っただけでしたが、D7000では表現しきれなかった冬の空気の重たい感じや、冬の陽射しの柔らかさみたいなモノが表現できているのではないか?と。手前味噌で申し訳ないですが。
APS-C機では被写界深度が合っていても流れがちだった、画面隅の熊笹まできちんと描写出来ています。このあたりはフルサイズ様様だと感じました。
また、D3桁シリーズだと重くなる事を懸念されている方も多々いらっしゃいますが、動画機能の無い Df はとにかく軽くコンパクトです。
バッテリー換装重量はAPS-C機であるD7000より軽量です。
唯一の弱点と言えるのは、液晶のチルト機能がない事くらいでしょうか?ローアングルや頭上からしか撮れない画角の時には、少し不便に感じます。
液晶を180度回転したら、裏側がボディーと同じ合皮貼りで、ツライチになって液晶を隠せれば見た目も最高だったのに…とは思いますけどね。笑
二足三文で投げ売りされいる古いレンズも、オールドNIKKORを活用する事を念頭に企画された Df なら充分に現役として使える武器です。
Nikonユーザーで、レンズが高額である事を考慮してフルサイズを諦めている方がいるとしたら Df こそ、あなたとフルサイズを繋げる橋です。
中古なら12〜14万円台で入手可能です。頑丈さならNikonはお墨付き。
Nikonだけは、TTL自動測光普及時に「マウントを変えて対応してもユーザーは喜ばない」と、マウント方式を変えずに、半自動を経てFマウントを堅守し、ユーザーを唯一切り捨てませんでした。
なのでFマウントは、大量に世の中に存在します。他のデジタル一眼レフでは使えなくても、Df でなら使えるレンズも大量にあります。
APS-Cからフルサイズへ。センサーサイズ切り替え時の初期投資に、あまりお金をかけずとも充分に遊べるカメラ…それがNikon Df です。
Nikon Df を導入した話 おわり