独眼流正宗

独眼レフを操る 下手っぴ写真愛好家の場末の毒舌ブログです。「頭の中に漠然とある感覚や印象を、気分や感情に左右される事なく、言葉や文字に置き換える時に、それらは初めて明確な意思や思考になる。」そのための自己反芻のようなモノでもあるので、興味のない方はスルーして下さい。

Nikon Df を1ヶ月半使ってみて

APS-CD7000からフルサイズのDf に替えて1ヶ月半。

 

購入まで、文字通り熟考に熟考を重ねただけあって特に不満点はないです。

これだけ中古市場にDf が存在するというのは、買ったけど売り払った人がそれなりに居ると言うことでもあります。そういった意味では、ネガティブな情報もしっかりと頭に入れてはありましたので、発売当初、見た目に惹かれて飛びついた人より不満に思う要素は少なかった筈です。

 

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個人的にDf は他に代用の効かぬ名機だと思っています。購入を未だに検討されてる方も多いと思うので、特にネット上で見られるネガティブな意見に対する個人的な見解を書いてみようと思います。

 

ホールド感の悪さ

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右前部のグリップの張り出しが弱く、ホールド感が悪いと言うのが最も多かった悪評ですが、私はそもそも右手でカメラを持ちません。

現代のような人間工学的な流線型になる前にカメラ趣味をスタートしているので、左手の掌の手首部分にカメラの重心(概ねボディ下部とレンズのマウント付近)に置いてピントリングを回し、シャッターを押す瞬間まで「右手は添えるだけ」の事が多いのです。

それと利き目が左なので、左目でファインダーを覗いているのでカメラは顔に密着するので右手のホールド感という事を考えた事がありません。

もちろん、当時は手ぶれ補正どころかAFも無い時代だったので、超ヘビー級レンズを手持ちでなど考えもしなかったですから、AFや手ぶれ補正が当たり前でグリップの良い右手メインでカメラを保持してる方々とは、カメラの構え方が全く違うのだと思いますが。

寧ろ「ホールド感」と言われると、カメラの大きさの方が気になります。ファインダーレスのミラーレス機はどう持っても小さ過ぎてホールド出来なくて困りました。

 

サブコマンドダイヤルの回しにくさ

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これは買う前に最も懸念していたポイントでした。

確かに回しにくい感じはあります。前述のように右手のホールド感の悪さを訴えている方々には、かなり扱い辛いのではないかと思います。私は幸い、右手が割と自由なので思っていた程には回し難くはなかったです。

しかし、やはりメインコマンドダイヤルと同じ垂直軸のダイヤルの方が使い勝手は良かったのは明らかです。デザイン的な物なのか、内部のパーツ配置上の事なのかはわかりませんが、設計の意図がわからない部分ではあります。

 

電源のON/OFFがしにくい

Df は電源のロータリースイッチに突起がなくON/OFF がしづらいという意見が結構ありました。

正直、突起があるために入れ物の中で電源が勝手に入ってしまい電池消耗する事の方が、私にとってはネガティブファクターなので、何とも感じません。

「指1本でON/OFF の操作ができない事が何故そんなにマイナスなのか?」

寧ろ、そこが理解出来ません。

出先でバッグから取り出したカメラの電源が入っていて電池が消耗していた時の無念さの方が遥かに大きい。

それに、せっかくDf のような外観のカメラを持ったのだから、速写や撮りまくる事に拘らず、フィルム時代にあったようなシャッター1押しの重さを感じながら撮る事も大切だと思っています。

 

ISO感度が12800しかない

これをデメリットに挙げている人達は、いったい何を撮ろうとしている人達なのだろう?と、不思議に思っています。

デジタルカメラからカメラを始めた人には感度調整は当たり前のものかもしれないですが、フィルム時代からカメラをやっていた者には、ISO3200の時点で「神の領域」であると言っても過言ではないです。笑

今迄のデジタルカメラ全ての撮影で6400以上に上げた事がない。それも出先で三脚が無く苦肉の策といった感じで使っただけで、絞り優先モードで撮っている時などは、殆どISO感度の設定ができること自体を忘れていることの方が多いです。

シャッター優先モードで、飛んでいる鳥や虫などの動体を撮る時に思い出したように上げる事があるだけの私には、12800しかないという感覚がないのです。

逆に、デメリットに挙げる人達がこれだけ居るわけですが「12800では撮れない被写体」って何なのでしょうか?

写真は光を捉える作業なので、捉えられない光は撮らないで写真活動をしてきたので、ISO12800が不満要素である意味が全く想像が出来ません。

 

SDカードのスロットとバッテリーが同じ場所

正直、これも何をもってマイナスポイントに挙げられているかもわからない。特に困ることはないです。寧ろ、バッテリーチェックとカードの入れ忘れを一度にチェックできるメリットの方が個人的には大きいと感じています。

またSDカードのスロットがひとつだという点をデメリットとして指摘している人も見受けられますが、これも特に不便はありません。

そもそも64GBのカードならRAWで1000枚以上撮影可能なので、動画機能を予め省いた写真専用機に複数のスロットを欲しいと思った事が無いです。

用途によってカードを使い分けているなら入れ替えれば良いという考えしかないし、カメラ内で十字キーを駆使して面倒なカード間でデータの移動とかも全く考えていない者の意見ではありますが、Df というカメラの指向性や嗜好性を考えたらデメリットに挙がる要素では無いと考えます。

 

以上、ネット上によく書かれているNikon Df に対する不満点への個人的な見解を述べてみました。

正直、不満点はないです。

不満点を挙げないと公平なレポートにならないとばかりに、重箱の隅をつつくように、誰も納得しないような不満点を並べても意味が無いので、不満点は無しとしておきます。

 

ただし、Df に不満点ではありませんが、銀塩時代を知る者としては、全てのデジタル一眼レフおいてファインダーの明るさや像の大きさに不満は持っているのは確かです。

 

これは今回、マグニファイングアイピースを購入して像の見え方だけは、少し改善されました。初めて使ってみましたが買って正解でした。

Nikon マグニファイングアイピース DK-17M

Nikon マグニファイングアイピース DK-17M

  • 発売日: 2005/04/27
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

それに、以前に記事にしたデジタルならではのピント合わせ術もあるので、ファインダーがデジタルカメラの弱点とも言い切れないところもありますが。

三脚を使ってMFで追い込む撮影(初心者向け) - 独眼流正宗

 

何にしてもNikon Df は唯一無二。

質の良いオールドレンズが使い放題の事を考えれば、これに優る利点は無いのではないか?と、個人的に思うのです。