今年は春の訪れが早く、緊急事態宣言解除と再開の間に少しだけ花を愛でる事が出来ました。
去年は桜、藤、薔薇、春を告げる花々の殆どが見られなかったので、当時「花撮影一年生」だった筆者にとっては残念な春であったのを覚えています。
2年ぶりに亀戸天神社に行ってみました。自由に出歩けて、見頃に合わせられるご時世なら満開のタイミングで撮影出来たのかもしれませんが、そこは嘆いても仕方ありません。今年は見れたことに感謝です。
NikonDf + Tokina AF 19-35mm F3.5-4.5 JPEG出し後 圧縮
3500円で入手したTokina 19-35mm を持ち歩いているとフレアやゴーストの写り込みも懐かしく、楽しくなってきます。逆光撮影に本来あって当たり前のこれらが、コーティングの技術進歩により抑えられている現代のレンズの方が、実は不思議な事なのかもしれません。
NikonDf + Tokina AF 19-35mm F3.5-4.5 JPEG出し後 圧縮
因みに亀戸天神社がカメラ台を置く、お薦め撮影スポットはこのアングルだそうです。
広角単焦点の画質が良いのは当たり前ですが、個人的には、同じ画角で超広角の写真を続けられると3枚で飽きると思っているので、超広角域も守備範囲のズームレンズは本当にありがたいです。
楽しさに味を占めて、もう少し基本設計が良いレンズを召喚してしまいそうです。
筆者には、90年代前半から仕事として写真のレタッチをする環境が整っていた身内がいたので忘れていましたが、このレンズが出た頃はまだ一眼レフといったらフィルムカメラ。
Macintosh Quadra 650 出典:Wikipedia
レタッチ環境といっても、Power MacG3以前のPCでは処理速度が遅いため、読み込み、書き出し、全ての工程に長い待ち時間が要求される、とても根気のいる作業でした。
写真の取り込みも、市販のスキャナーの精度が低過ぎて、ネガをポジに起こしてから出力センターに出向いてデータ化してもらわなくてはならず、今では考えられないような手順を踏まなくてはなりませんでした。
このTokina AF 19-35mm F3.5-4.5は、やっとプロが乗り買えることのできる常識的な値段で、デジタル一眼レフ発売された頃に発売されたレンズなのです。
写真はフィルムで撮ってプリントに出す時代。この画質では評価されなかったのは、ある意味当然だったのかもしれません。
しかし、現在には15年前と比べても飛躍的に向上した、RAW現像やレタッチのソフトがあります。フィルム時代に安物の烙印を捺されたレンズも日常使いでは十二分に役に立ってくれます。
NikonDf +Tokina AF235 Ⅱ 35mm 1/2000秒 f/4.5 ISO400 (*1) JPEG出し後 圧縮
NikonDf +Tokina AF235 Ⅱ 20mm 1/500秒 f/6.3 ISO200 JPEG出し後 圧縮
NikonDf +Tokina AF235 Ⅱ 20mm 1/250秒 f/6.3 ISO200 JPEG出し後 圧縮
NikonDf +Tokina AF235 Ⅱ 20mm 1/1000秒 f/6.3 ISO200 JPEG出し後 圧縮
超広角レンズは高いからと手を出さずにおかず、安物でも画角を経験してみるのは非常に有用だと思います。何故なら、超広角でなくては撮れない写真や、思いつかない画角などが沢山あるからです。
市販されているカメラ本体に付属しているダブルズームレンズキットでカバーされているのは概ね28mmから400mm(35mmフィルム換算)。大抵の写真はこの範囲がカバーされていれば撮れるのですが、個人的には、写真の楽しみを倍増させるのは寧ろ、この領域外の画角だと思います。
キットレンズから一歩踏み出して、超広角で撮られた建物や、超望遠で撮られた戦闘機や野鳥…そんなものを撮りだした時に、凄く写真という趣味に浸っている実感が得られるような気がするんです。
二足三文の投資で手に入れられる、超広角域も撮れるズームレンズ…個人的には有りだと思います。
*1…この場所は留まっての撮影が禁止なので、予めマニュアルモードで設定だけ決めて歩きながらほぼノールックで撮影しています。