独眼流正宗

独眼レフを操る 下手っぴ写真愛好家の場末の毒舌ブログです。「頭の中に漠然とある感覚や印象を、気分や感情に左右される事なく、言葉や文字に置き換える時に、それらは初めて明確な意思や思考になる。」そのための自己反芻のようなモノでもあるので、興味のない方はスルーして下さい。

普段は近づく事も許されない綺麗なあの子と仲良くできるレンズで花修行。

睡蓮や蓮のような水生植物の撮影で悩ましいのは、なんといっても花との距離感でしょう。手近な場所で咲いている花にはカメラやスマホを構えた大勢の人が群がり、まるで観光地の展望台のような慌しさ。

そこで今回は600mmを持ち込んで蓮の撮影にチャレンジしてみました。

 

f:id:muramasachang:20210628180006j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   380mm 1/1600秒 f/6.0 ISO400 圧縮掲載

場所は府中郷土の森にある修景池。広くはありませんが、大賀蓮(古代蓮)が鑑賞できる蓮池として、人気の高いスポットです。

ただ、修景池は石造りの縁が階段状になった噴水広場にあるような人工の池で、鑑賞の為の木道などは整備されておらず、一部を除いて少し花まで距離があります。そして、多くの種類の蓮を少しずつ育成しているため、蓮スポットとしては株が少なく、スマホや標準レンズ、120mm程度のズームレンズでは狙える花が限られてしまいます。

 

f:id:muramasachang:20210628195932j:imageNikonDf × AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR  120mm 1/50秒 f/6.3 ISO100 圧縮掲載

蓮の葉が池全体を覆ってくれているわけではないので、他の蓮池より殺風景になりがちです。これには、この修景池特有の事情があるのです。

 

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f:id:muramasachang:20210628202440j:image全てiPhoneで撮影

この画像は春先に水抜き工事をしていた時のものです。このように細かく区画が分けられ、多くの品種が育てられているのが修景池の特徴で、密度はありませんが様々な品種を一度に鑑賞する事ができるのです。

 

f:id:muramasachang:20210628204412j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   600mm 1/2000秒 f/6.3 ISO400 圧縮掲載

そんな時、600mmの恩恵はやはり計り知れません。元々はゆるクラ△の最中に、登山道を外れて貴重な植物を踏み荒すことなく撮影が出来るように考えて導入したレンズですから、近づく事が出来ない水生植物の撮影にも威力を発揮するのは当然と言えば当然です。

 

f:id:muramasachang:20210628205337j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   210mm 1/2000秒 f/5.3 ISO400 圧縮掲載

Nikonの上位機種にはレンズ毎のピント微調整機能があります。春先の緊急事態宣言下に、近所の柵のある場所に出向いてはピント微調整を繰り返したので、全域に渡り概ねピントは良好です。

 

 

f:id:muramasachang:20210628211346j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   600mm 1/2000秒 f/6.3 ISO800 圧縮掲載

ピント微調整とは、写真のような細かい柵のあるような場所で撮っては微調整を繰り返して、ピント精度を突き詰めていく作業です。地味で退屈な作業ですが、工場出荷時のピントが甘いSIGMAのレンズなどは写りが一変しますので、まだやられていない方は是非お試し下さい。

 

f:id:muramasachang:20210628211804j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   500mm 1/1600秒 f/6.0 ISO400 圧縮掲載

f:id:muramasachang:20210628213133j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   300mm 1/2000秒 f/5.6 ISO400 圧縮掲載

f:id:muramasachang:20210628213154j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   600mm 1/2000秒 f/6.3 ISO400 圧縮掲載

背景に人工物があるようなシチュエーションでも超望遠のボケ効果であまり気になりません。

f:id:muramasachang:20210628214716j:imageNikonDf × SIGMA 60-600mm   600mm 1/1600秒 f/6.3 ISO400 圧縮掲載

正味30分弱の短い写活でしたが、去年、一昨年とは違ったアプローチで楽しめました。写真の撮り方に適正こそあれ、決まりなどありません。同じ被写体であっても違ったアプローチをする事で趣きの異なる写真が撮れたりします。

遠出が憚られる今こそ、撮り慣れたポイントで新たな撮り方に挑戦する良い機会なのかもしれません。