独眼流正宗

独眼レフを操る 下手っぴ写真愛好家の場末の毒舌ブログです。「頭の中に漠然とある感覚や印象を、気分や感情に左右される事なく、言葉や文字に置き換える時に、それらは初めて明確な意思や思考になる。」そのための自己反芻のようなモノでもあるので、興味のない方はスルーして下さい。

登山にカメラを持ち込むためのバックパックを真剣に考慮した結果…①

登山といっても、筆者はガチ登山をするわけではありません。過去の怪我のせいで右手首の稼働率は50%以下ですし、握力も落ちています。物理的に頂上には到達出来ないケースも多々考えられるため、登山といいながら「ゴールは山頂でなくてはならない」とは考えていません

 

今風の表現でいえば、ゆるゆる系クライマー…略してゆるクラ△です。

 

固有種の高山植物帯を目指したり、頂上を望む沼や池などがゴールでも良いではありませんか!つまり写真活動の一部に山登りがある…みたいな考え方です。

 

とは言え、山は舐めてはいけません。死にます!

 

それなりにきちんとした装備に、プラスアルファでカメラを携行するとなると、ゆるクラ△とは言え荷物は大量です。カメラメインなのに替えレンズも持たずに行っては本末転倒。8割がバスとケーブルカーで登れるような日帰り可能な山であっても雰囲気は縦走レベルの荷物量になってしまいます。

 

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悩みどころはバックパックです。山用のバックパックカメラを持つ事など一切考慮されていません

容量は大きくても雨蓋の開口部からギュウギュウと詰め込むようなタイプではカメラやレンズの取り出しは不便極まりない。

サイドジッパーがあっても、文字通り欲しいものを引っこ抜く程度の開口しかしませんので、インナーケースからカメラを取り出すなど完全に不可能です。

 

 

最終的なカメラ装備の構想は

Nikon Df

◯AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR

SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM(購入予定)

◯Micro-NIKKOR-P Auto 55mm F3.5

◯三脚

を常備品として、シチュエーションによって追加レンズも…と考えているので相当な容量と重さになります。

山に600mmは要らないだろ…と思う方が多いと思いますが、将来的に雷鳥や珍しい動植物などに遭遇できるような山登りをしたいと思っています。その際、登山道を外れて貴重な高山植物を踏み荒らしながら被写体に近づくような事をしたくないので、私の中では数少ないチャンスを逃さないための必要な装備と考えています。

 

 

 

そこで、山の専門店や大型カメラ専門店に可能な限り足を運びまくってカメラメインの登山用バックパックを3種類チョイスしてみました。(これはコロナ禍になる前に終えている作業です)

 

先ずはカメラ専用のバッグメーカーでもあるHAKUBAのGW-ADVANCE アルパイン40(生産終了)です。

https://www.biccamera.com/bc/item/3315022/

Amazonでも1万円以下で投げ売られていた事もあった、カメラバッグ的には見向きもされないほど巨大なカメラリュックです。

サイドからカメラが取り出し可能な3気室タイプですが、カメラ部分の容量が小さいだけでなく、実店舗で背負った感覚は登山用としては微妙な背負い心地。とても重たい装備を詰め込んで長時間に渡って山道を歩けるとは思えませんでした。これは、あくまで個人の体格も左右する感想ですので、このバックパックが身体にフィットして愛用されている方は、お気を悪くされないでください。

グレーにオレンジの配色も好みで、これが身体に合えばリュック沼に嵌る事などなかったのですが、合わないものは仕方ありません。

 

 

次に候補に挙がったのは、アウトドアメーカーであるTHE NORTH FACEのカメラ用バックパックです。

 

 

HAKUBAと同じく、サイドからカメラの取り出しが可能な3気室タイプ。見た目も良く、アウトドアメーカーで期待しましたが、背中の部分がハイキング用のバックパックのような平面スポンジで、これでは蒸れて不快です。

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出典:THE NORTH FACE brand official websiteより

 

25L程度のハイキングや普段使いのバックパックであっても、この手の作りだと暑い季節は背中の蒸れが気になってしまいます。カメラと山装備ではとても長い距離を歩けるとは思えませんので、こちらも却下です。

 

 

 

最後に残ったのは、背負い心地はバックパック界のロールスロイスとまで謳われるGREGORYのBALTORO(以下、グレゴリー バルトロ)です。

 

 

 

グレゴリーのバルトロシリーズは発売以来改良を重ね、2015年にリリースされたこのモデルは世界中の有名アワードを総なめにした大容量バックパックの王者と呼べるような存在です。

肉抜きして若干軽量化をした現行モデルからは型落ちにはなりますが、こだわり抜いたフィット感は、他のメーカーでは端折られているようなアジャスター等を含め、どんな人にも最適を探せるのではないか?とすら思う仕上がりです。

 

本来、カメラの事は考えられてはいない完全な山用の大容量バックパックですが、カメラバッグのような背面がカバっと開く山用としては珍しいタイプです。

これならリュックの中段に入れたインナーケースにも直接アクセス可能。専用ケースに入れた大型レンズの取り出しも容易です。

この背面開口機能ですが、最初は「要らない」と思って買った登山好きな方々にも非常に好評なようです。トップの開口部から物を詰める…に慣れてしまって、実際に使うまでは背面開口は必要ないと思ってしまっているようですが、中段の荷物に直接アクセス出来るのですから不便な筈はありません。

 

ネックは重さ。大型のバックパックとして決して重いというわけではありませんが、2.6kgはやはりヘビー級。カメラ本体とSIGMAの60-600mmを入れただけで6kg超の重さになってしまいます。

 

しかしフィット感は重さを凌駕します。

世界的なクライマーであり、グレゴリーブランドの創始者であるウェイン・グレゴリーバックパックは着るものである」との名言を残しました。

そしてそれを証明するかのように、1970年から、内部フレームを身体のサイズを測って製造する、まるでテーラードのようなバックパックの販売を始め、後にブランド化しました。それがこのグレゴリー・マウンテン・プロダクツ(Gregory Mountain Products)のルーツなのです。

はっきり言えば、このバックパックゆるクラ△の筆者にはオーバークオリティの極みです。

カメラで喩えれば、スマホ撮影から突然Nikon D6、車に喩えれば免許取り立てでランボルギーニを買うような暴挙です。

しかもバルトロ75は、これさえあればヒマラヤすら行けるとまで言う登山家の方もいる本格派。本来はゆるクラ△が持っていては宝の持ち腐れかもしれません。

しかし、背面がガバッと開くのがコレしか無いので仕方ないじゃん!って事で、中古ながら購入させて頂きました。

 

ガチ縦走とかをしていて、次の買い替えの時にはバルトロが欲しいと考えていらっしゃるガチクライマーの皆さん。本当にごめんなさい。

 

これが、本当に凄い!

 

2690gという重さを全く感じない。身体に程良く合った皮のコートを着てる感覚と言えば判るでしょうか?ハンガーにかけて持つと凄く重く感じるのに、着てしまうと重さを感じない、あの感じです。

ショルダーハーネスやウェストベルトが独立して動くことがフィット感に大きく貢献していると思います。腿上げ動作を多用するガチクライマーの皆さんから絶大なる支持があるのも頷けます。

 

唯一の難点は、2015年モデルはヒップベルトポケットの大きさでしょうか。スマートフォンが巨大になり過ぎた為にこの大きさでは収納できません。財布や鍵入れとして利用したり、ガムや飴などの入れ場所と考えれば必要充分ではありますが。

 

なんにせよ、噂に違わぬ運搬の道具としての秀逸さでした。

パッキングが完成したら、詳細写真と共にまたブログに上げようと思います。