筆者がこの記事を書く一番の理由は、最近の、買った瞬間から、誰もが失敗せず写真を撮らせてくれるカメラの普及でシャッターひと押しの重さが失せているように感じているからです。
瑠璃光院のテーブル紅葉、明月院の紫陽花、ひたちなかのネモフィラ、只見川第一橋梁の俯瞰写真、ウユニ塩湖みたいな写真が撮れると自治体が率先して宣伝しているリフレクションスポット…etc.etc.。
SNSに載せるために、約束された絶景スポットにただ出向いて撮るだけの人が大量にいます。本人には自慢の作品群なのでしょうけど、筆者には飽きるほど撮られた場所での似たり寄ったりの画角からの焼き直し写真の羅列は塗り絵の下地にしか見えません。
決められた場所に行けば良いだけなら、時間とお金があれば誰にでもできるからです。
似たり寄ったりの画角だから、塗り絵的にどんどんレタッチが激しくなっていくのでしょう。
筆者にも夢はあります。自分で探し出した無名のスポットを発信して人気になれば、それこそが自身の写真活動における最高の瞬間だと考えています。なので、今は緊急事態宣言下で難しいですが、時間があれば人の手が加わっていない山の中や滝などに極力出向いて撮影したいと思っています。
なので、時間があるからあの映えスポットに行こう!みたいな考えは筆者の中にはあまりありません。綺麗なモノをこの目で見たい感覚はもちろんありますが。
そんな昨今の写真趣味を取り巻く流れは、もう仕方ありませんが、シャッターひと押し、一枚の絵を撮るために、どれだけの心配りと労力を向けられるか?が、この撮影の本質だと考えています。
あとで加工すればなんとかなる…では、本当にカメラが撮らせてくれた写真を派手にレタッチするだけの、なんの個性もない塗り絵のような写真にしかならないと筆者は思っています。
さて、ブツ撮り準備に戻りましょう。モデルガンは初めての被写体なので一旦ここで試写してみたいと思います。
NikonDf + NIKKOR-S Auto 50mm F1.4
一灯だけ照明を当てて、50mmで質感などを確認です。迫力が欠けているので撮影の時はもう少し広角で撮った方が良さそうです。
ディテール的にもスライド部分は艶消し塗装して磨かない感じにした方が良いかもしれません。照準用の白ドットや、セイフティーの赤ドットに木工用ボンドを塗って、硬化を待つ間にツルツルの表面にスポンジ研磨剤で細かな線を入れます。ヘアラインと呼ばれる仕上げが粗っぽい金属製品の切削痕みたいなものが表現できれば良いな…と考えての事ですが、モデラーではないので結果は予想できません。
刻印の文字を塗り潰さなさないようにサッと塗装します。キャロムショットの塗料は本当に優秀です。速乾な上に薄塗りでも質感があります。
NikonDf + Micro-NIKKOR-P Auto 55mm F3.5
研磨剤ではなくメラミンスポンジで磨いて組み上げてみました。塗装前に研磨してるので成型時に刻印を押した時の歪みや盛り上がりも平らにする事が出来て、それなりに満足な仕上がりになりました。
塗装前には同じ質感だった未塗装のグリップ部分と比較すると、差が一目瞭然です。
アングルを少し変えて別アングルから撮っても、はっきりと塗装した本体部分との違いが判ります。
グリップ部分をどうするか?は、まだ悩みどころですが、小物をもう少し集めたら撮影できそうです。
一旦終了