独眼流正宗

独眼レフ、ミラーレス独眼を操る 下手っぴ写真愛好家の場末の毒舌ブログです。「頭の中に漠然とある感覚や印象を、気分や感情に左右される事なく、言葉や文字に置き換える時に、それらは初めて明確な意思や思考になる。」そのための自己反芻のようなモノでもあるので、興味のない方はスルーして下さい。

Z8とDfを三脚に固定して、同じレンズで撮り比べてみる話。

Zマウントレンズ導入にあたり、やっておきたい事があります。三脚固定による同一レンズの一眼レフとミラーレスの撮り比べです。

今や些か数字的に見劣りする1625万画素とはいえDfの描写力に不満などありません。2027年までNikonで整備補償延長になったほどの名機ですので、ミラーレス用レンズを買ったら、花の撮影などはZ8とDfの2台体勢に出来ます。その前に忌憚なく両機を比較して得手、不得手を把握しておきたいのです。

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両機ともアルカスイス互換のブラケットやケージが装着してあります。

先ず使用するのはAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRで、Z8にはFTZ Ⅱ を介して装着。三脚はMARSACEのMT-2541、雲台は同社のXB-2でがっちり固定します。撮影モードはマニュアルで同じ画角を同じセッティングで撮影して比較します。センサーや画素数の違いで高感度耐性がどれだけ違うのか?も把握しておきたいポイントのひとつです。

夜明け前の某駅です。ピン位置は画面の中央でシングルポイントAFで撮影しています。RAWで撮影して現像で何も弄らずJPEGで出力し、同じツールで圧縮してあります。

f:id:muramasachang:20240522043955j:imageNikonZ8+FTZⅡ+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR 27mm f4 1/10s ISO 400


f:id:muramasachang:20240522044217j:imageNikonDf +AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR 27mm f4 1/10s ISO 400

Dfは流石に1625万画素です。とても明るく撮れていますが、Z8の暗部が潰れているわけではありません。Lightroomで少し弄ると高精細な写真に仕上がりました。

f:id:muramasachang:20240522045653j:imageNikonZ8+FTZⅡ+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR × Lightroom

Dfの中身は2012年3月発売のD4と同じなので、これまた中身が2021年末に発売されたZ9と共通のZ8とは、約9年の開きがあります。デジタルテクノロジーの9年は流石に長くZ8の画質と高精細さと、高画素機でありながら暗部の粘りには実に驚きますが、同時にDfの健闘も素晴らしい。

三脚に据えるような撮り方だと、古いカメラでもしっかり結果が出る事も証明されたと言えます。

 

更に高画素機が不利なテストに移ります。駅前より遥かに暗い場所でシャッタースピードを上げて撮影します。ピン位置は先ほどと同じく画面中央です。
f:id:muramasachang:20240522043958j:imageNikonZ8+FTZⅡ+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR 24mm f4 1/100s ISO 1000


f:id:muramasachang:20240522043952j:imageNikonDf+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR 24mm f4 1/100s ISO 1000

流石にここまで暗くなると低画素機のDfが有利です。Z8の方は青みが強く出ています。ですがZ8の暗部の粘りはしっかりしています。Lightroomで簡単に現像すると、しっかりとしたディテールと色彩が記録されているのがわかります。

f:id:muramasachang:20240522052533j:imageNikonZ8+FTZⅡ+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR × Lightroom

モニターで拡大して見ると、Z8で撮った写真の方が画面全域で解像度はやや上でした。ISO感度を爆上げしてないのでノイズも目立ちません。しかし、センサーの違いがこれだけあるにも関わらず、現像してみると静止した被写体に対しては、それほど写りに差が無いという事がわかりました。

 

つまり、動いていない被写体に関しては、DfでもZ8でも、それぞれ弱点と思われる箇所を三脚を使用する事でカバーできてしまう…という事に他なりません。

カメラを固定する装置というのは、カメラが発明された時から共に存在するモノでした。

フィルム感度が上がり、シャッター速度も上がり、デジタルになり手振れ補正などの補助も強力になり、いつの間にか「三脚は無くても写真は撮れる」という感覚になってしまっていますが、実は三脚というのはカメラの持つ最大の弱点をカバーしてくれる機械式ツールなのです。

 

それを踏まえて、テストを続けたいと思います。