以前の記事でプチ予告していた、 Df のオールドニッコールによる作例集です。
誰も期待してなかったと思いますが、有言不実行だと日本政治家みたいになってしまうので、責任をもって記事にしたいと思います。笑
このページの写真は全てNikon DfとNIKKOR-S Auto 50mm F1.4で撮影されたものです。
COVID-19の影響もあり移動規制前に撮っていた写真が殆どです。
だったらさっさと更新すれば良かったのに…というツッコミは既に自問自答しております。笑
オールJPEG出し、三脚の記載が無いものは全て手持ち撮影です。
高尾山
先ずは、冬の高尾山です。鉛ガラスレンズ特有のクリアな画質が、冬の澄んだ空気感を描写するお手伝いをしてくれました。
終始曇天でしたが、下山中に一瞬だけ陽射しが出たタイミングもあり、玉ボケならぬ不等辺七角形ボケです。
高尾山薬王院は朱塗りが濃くて意外にフォトジェニックでした。写り込んだ方々の格好も、ケーブルカーと緩い斜度の舗装路だけでも登れる高尾山ならではの普段着感覚で、言われなければ冬季の山の上の写真とは感じませんね。
冬の柔らかい陽射しは、被写体として大好物だったりします。
カモメヅルの綿毛だそうです。高尾山に自生するのはとても珍しいとの事。辺鄙な傾斜地で身体の保持が出来ず、若干手振れしてる感じですが鉛ガラスレンズの透明感だけ愉しんで頂ければ幸いです。
移動規制が掛かる前、ガラガラの高速バスに乗って鹿島神宮にも詣でてみました。人生初の鹿島神宮です。COVID-19が蔓延しないよう祈ってきましたが…果たして御利益はあったのでしょうか?幸いにも筆者の身の回りには感染したという話は出ておりません。
有名な御手洗池(みたらしいけ)です。画像検索すると、青池のようにターコイズブルーになるまでレタッチされまくった画像ばかり出て来ますが、実際は狭い人工の水場なのでこんなものです。
霊験あらたかな被写体をあらたかスポットと呼ぶようにしているのですが、オールドニッコールの映し出す透明感は、その雰囲気を巧みに切り取ってくれています。
なかなかのあらたか度ではないでしょうか?残念ながら、私の写真の腕ではありません。鉛ガラスレンズの透明感の為せる業です。オールドレンズで、三脚を立ててしっかりと追い込めば誰でも撮れる写真です。
楼門です。光量のある場所ではオールドレンズと現代のレンズの差はあまり感じられないかもしれません。ただパンフォーカスでバシャバシャ撮れる感覚は現代のAFレンズとは違った楽しさがあると思います。
規制前でしたが、あまり詣でている人が居らず本殿も少し待機するだけで、ご覧のような人払い写真が撮れました。遠目からなので丁寧に詣でていた方を合掌のタイミングでフレーミングさせて頂きました。
奥宮は完全にパンフレットのような人払い撮影。撮影技術がパンフレットレベルでないのが残念です。笑
鹿島宇宙技術センター
鹿島詣とは別に、2019年の度重なる台風で破損し、そのまま修理せずに取り壊しになる直径34mのパラボラアンテナの最後の勇姿を観に、鹿島の宇宙技術センターも訪れました。
もうダメージを負ったパネルは全て剥がされ、解体を待つのみです。これはこれで、とてもレアですね。
実は、免許取り立ての頃に鹿島のパラボラアンテナ完成のニュースをテレビで見て、夜中のドライブで都内から観に行った、思い出の地でもあります。
あの時は夜中で敷地外からでしたが、真新しくて大きさに感激した記憶があります。道路も今のように綺麗でなかったし、外灯も殆どない真っ暗な中に、ぼおっと白いアンテナが立っている光景は少し異様にも感じました。
コーティングも現代のレンズとは違うので、逆光で撮ると盛大にゴーストが出ます。昔はゴーストを出さないよう、あれこれ工夫して撮ってましたが、今となっては敢えて「古いレンズの御愛敬」といった感じで、ゴースト込みで撮影するのも有りかもしれません。
凡作群ですが、無くなってしまう遺産なので少し多めに載せています。兎にも角にも、30年お疲れ様でした。宇宙空間からの様々なデータをこのアンテナが受信して、宇宙時代の石杖を築いたのかと思うと感慨深いものがあります。
來宮神社
熱海旅行の定番である來宮神社。御神木でもある大楠はなかなかのあらたかスポットです。
推定樹齢二千年。「不老長寿」「無病息災」の御利益だけでなく、伊豆地方のキノミヤ(木宮)信仰の象徴との事。
長年、風雪や天災にも耐えた木肌は風格に満ちていました。
お水取りの行事もあって、当日は数時間待ちになる事もあるとか。個人的に、水と柄杓の金属の質感は、このNIKKOR-S Auto 50mm F1.4の描写力の中でも特に好みの部分です。
浅草
やはりオールドニッコールの真価は、夜や暗所での透明感。と、いうわけで夕方から夜にかけて浅草周辺で撮影してみました。
夕景の隅田川を吾妻橋から。駒形橋やビルに火が灯り始めて独特の雰囲気になる、この時間帯はフォトジェニックで大好きです。
夕景は晴天も良いですが、雲が多く出ている日も程よいアクセントになって楽しいものです。暗くなってからの吾妻橋は他の記事をご参照下さい。
雷門を信号の向かい側から。本体のRAW現像だけで、大提灯にピンを置きながら、門の前の人達のそれぞれのストーリーが想像出来るような写真に仕上がりました。これもMade in Japanのガラスレンズの透明感が為せる業です。
宝蔵門と五重塔。浅草寺境内は三脚禁止になるため手振れ補正の無いオールドレンズには不利になりますが、なんとかあまりISOを上げずに撮る事が出来ました。
人通りのなくなったお祭り商店街西参道。シャッターが閉じられ看板だけ点灯している風景は地元の人以外はあまり見慣れぬ景色で、足を止めて何度もシャッターを切りました。
アーケードではない商店街はまた違った色味の景色になります。個人的には暖色系の照明のアーケード街より、少し寒々しいこちらの方がオールドレンズには合っているような気がします。
夜の浅草のもうひとつの顔である半露天の飲み屋街。Df を抱えて歩いていると趣味カメラマンにあまり見えないのか、呼び込みの方々が物凄く遠慮がちに声を掛けてくるのが印象的でした。笑
写真だけ載せようと思っていましたが、味気ないので一枚ずつ簡単な解説を書いてみました。
拙い作例集ですが、何かの判断のお役に立てば光栄です。
オールドニッコールをデジタル一眼レフ機に装着すると、機種によっては壊してしまうこともあります。レンズの製造年代でも違いますし、改造されている物で本来オールドレンズを着けられないカメラにも装置可能になっているレンズもあります。
かなり複雑ですので、ご自身が使われている機種に装着可能であるか?は、十分に調べてからご購入下さい。