佐原に着いたのが15時頃。銚子で疲れてパンパンになった脚を休ませたいところですが、翌日の天気予報が微妙なので、サラッと見たい街並みだけ流してくる事にしました。
それでは拙い作例集ですが、夕暮れの水郷都市の佇まいをお楽しみ下さい。
小野川沿いの古い建物が残る街並みは、まさに川を水路として栄えた水運都市の景観が残り、見事な佇まいを見せています。
ところで…皆さんは小江戸と小京都の違い、わかりますか?
小江戸は、水運により江戸と直接取引があった町だけが名乗れる称号で
小京都は、京都と同じように建物の間口の広さで税率が変わった町。いわゆる「鰻の寝床」と呼ばれる、間口が狭いのに奥行きが長い建物が連なる町並みを持つ都市だけが名乗れる称号。
日本には小江戸で小京都というダブル称号の街は一箇所しかなく、それは栃木市になります。
この橋は、30年ほど前にコンクリートに作り替えられていたものを景観に合わせて木製に戻したのだそう。こういった景観に配慮した再生は大歓迎です。
明治以降に建て替えられた洋風建築も素晴らしい佇まいを見せていました。この手の当時の贅を尽くした建物は、古い街並みの中にあっても嫌な存在感を発揮しないのが不思議です。
1ヶ月以上、雛めぐりというひな祭りイベントが催されている佐原ですが、この日は3/2に控えたさわら雛船春祭り目前だったからか、夕方は観光客はまばら。街並みをしっかり撮影する事が出来ました。
雛船春祭りは、お内裏様とお雛様に扮した一行が雅楽の音が流れる中、水上パレードするイベント。いつか超望遠レンズを携えて、パレードに合わせて再訪したいものです。
江戸時代の情緒あふれる街並みは、重要伝統的建造物群保存地区に選定されて見応えたっぷりです。
地元の中学生が、楽しげに話しています。佐原の魅力は観光地化された景観でなく、人々が生活している街並みが残っているところだと思うのです。
佐原に着いて感心したのが駅舎。駅前は特に古い建物があるわけではないのに雰囲気を運河沿いに保存された建物風にしてあります。駅は街の玄関口。第一印象はとても大切なので、このような取り組みには賞賛の声を大にしたいです。
見つけると思わず撮りたくなってしまう0番線ホーム。1番線側にしかホームが増設できなかった駅特有で、大抵はこのようにホームの端に切り欠きタイプで作られています。
新潟県内では割と見かけた気がするのですが、上越新幹線が出来るまで、特急停車駅だった東三条駅の弥彦線も信越線の1番線ホームを利用した切り欠きホームの0番線だったなぁ。
かなり長い期間、いつかは行きたいと心に秘めていた佐原は、素晴らしい水郷都市でした。一度来たからもういいや…ではなく、何度も訪れたくなる一級品の観光地。もう少し成田線の便が良ければ平日でも人がごった返す川越と肩を並べられるのになぁ…と、感じました。
拙い写真ばかりですが、街の雰囲気を少しでも感じとって、興味を持って頂けたら幸いです。