カメラ関係のブログを見ていると、この人はいったい年収幾らくらいで、カメラにどれだけお金を使っているのか?謎な人達がたまにいます。
羨ましい限りですが、ひとつのカメラを使い込むということもせず、次から次へと無い物強請りで物欲を満たすだけで、レビューとは名ばかり。買ってちょっと使った報告(自慢)だけで、直ぐ次の欲しい物に目移りしてしまってたり、目的意識がどこにあるのか解らない人がたまにいらっしゃいます。
恐らく、彼らの多くは「裕福だけど仕事や日常に忙殺されて、プチ買い物依存症になっている」のだと思います。
アルコール、ニコチン、ギャンブルなどと違い健全な趣味への投資なので、全く悪いことではありませんが、買ってブログに上げる事が目的になってしまっている感もあり、正直なところエントリー機を買って精力的に撮りに出掛けているような人のSNSの方が良い写真が多い気がします。
そんな買い換えしまくりユーザーが辿り着くのがLEICAだったりします。
ところで、皆さんLEICAの価値ってわかりますか?見出せますか?
確かに、カメラが精密工作部品の結晶だった時代は、LEICAに追いつけ追い越せの風潮があり、値段相応の圧倒的な差がありました。
これは光学部品や精度の差だけでなく、ハンドメイドで作り込まれた節度感だったり操作フィーリングだったり。カメラが醸し出す、所有欲を満たしてくれる部分に投資する人がいるのも納得な出来栄えでした。
私もバブル時代、LEICA M3を所有していた時期があるので、これは否定しません。
ファインダーの像が一致するあの独特のフィーリングは官能的ですらありました。
発売から60年以上経ちながら、未だに語られるのが当時のライカです。
ですが、最近カメラを始めた方で、今のデジタルになったLEICAにその価値を見出せる人はいますか?
はっきりと例を挙げると、官能的なレンジファインダーも持たない、ただの電子ビューファインダーで、携行に不便なほど巨大なレンズが着いているのに、28mmの画角しか撮れない不便極まりないコンデジに75万円も払う価値が見出せるか?というと判りやすいかもしれません。
LEICA Q2 公式ホームページより
LEICA信者は「LEICAはただのコンデジではない」と言うでしょうが、私はデジタルカメラ時代になってからLEICAで撮られた作例を見て
「嗚呼、これはLEICAじゃないと撮れないな」
などと思った事が一度もないです。
作例を挙げて記事やブログを書いてる人は自信満々
「見よ!このLEICAの醸し出す空気感を!」
的な事を喧伝されてるのですが、正直に言えば国産の安価なコンデジの宣伝に、作例としてプロが良い感じにライティングを駆使して撮って、ナチュラルレタッチされて載せられている写真と並べても「区別つかない」です。
はっきり言って、憧れのLEICAブランドを手にしたプラシーボだと思っています。
私は10代の頃から10年程ギターを弾く仕事をしていました。表にはでない裏方のセッションワークです。
日本のレコーディングスタジオは世界一高いので有名だったので、当時デビューしたロックバンドの多くは、アメリカなどに観光ビザで入国してアルバムのレコーディングをするのが一般的でした。
帰国したバンドのギタリスト達は口を揃えて
「向こうは電圧が高いから自分のアンプの鳴りが違った」
「空気が乾燥しているから鳴り違う」
と言うのですが、内心大笑いして聞いてました。
そもそもギターアンプには巨大なトランスが搭載されていて、回路内の電圧を一定に保つ設計がされています。
コンセント(アウトレット)からは安定した電圧で供給されている訳ではないので、それを確定電圧にしてから回路に送るのがトランス。アメリカであろうと日本であろうと同じアンプを運んでるなら音は同じで変わるわけがないのです。
寧ろ空輸とかでダメージを受けて真空管とかが出発前より劣化してる可能性の方が高いです。
湿度が完全にコントロールされているスタジオ内で、屋外の空気の乾燥なども全くもって無関係。
国内ではバイトすら出来ず(当時は髪が長いだけで日雇いバイトすらなかった)ファンの女の子の貢ぎで生活していた貧乏バンドマンが、メジャーレーベルと契約して、初の海外で気分が高揚してただけの事で、インタビューなどで皆が口を揃えてそういうので、自分が同じ境遇になった時にプラシーボ効果でそう思い込んでいるだけです。
LEICAにも同じような構図が、あるのではないかと思うのです。
先人達が喧伝したブランド力もあって、「この良さが理解出来なきゃ通じゃない」的な脅迫観念に捉われて大幅上方補正されているのではないか?と。
デザインも安物のスキットルみたいですし、このボディが職人の手によるアルミの削り出しであろうと何のありがたみもありません。所詮はカメラの外箱の強度があれば良いのですから。
ホンダのF1エンジンが、外注を辞め、鋳造だったパーツが削り出しになったと言われたら、その真価は判ります。
市販品では考えられないほどの耐久性とミクロンの精度が求められるからです。
正直、法外とも言える値段でカメラを販売して、宣伝動画で「削り出しで手が込んでいる」と言われても、大した強度も必要がないパーツに、なんの意味があって削り出しという高コスト生産をしているのか意味不明です。
設計から細かなパーツのひとつひとつまで職人が手作りする独立時計師の業物が、数千万円しても大して驚きませんが、デジタルカメラなんて外注パーツを組み上げる部分の比重の方が高い筈です。
精密工作部品の結晶だった時のブランド価値と値段を上乗せするために、意味のない工程を増やして、過剰とも思えるクオリティを付加して値を吊り上げてるように思えてなりません。
イメージセンサは特注と言われてますが、実はフランス製の既製品という話も聞こえてきます。
使ってる方々が、我々手にする事が出来ない庶民にもわかりやすい「一目瞭然これぞLEICA」って感じの圧倒的な写真を様々な媒体に載せてくれれば良いのですが、探し回ってもそのような写真に辿り着きません。
私がこのブログに、格安中華単焦点で撮った写真を多く載せるのは、プラシーボ効果のかからないようなレンズでフルサイズ とAPS-Cの違いを正確に判断したいし、こんな場末のブログであっても、たまたま目にした人の判断材料の役に少しでも立てればいいと思っているからです。
そもそも大三元などと呼ばれるレンズに興味がないのと、デジタル化されてお金のかかる趣味から庶民の楽しみになったカメラを、高額なレンズやカメラで語る事だけはしたくないからです。
LEICA最高!ってネットに書き込まれてる方々にお願いがあるのですが
「こりゃ庶民のカメラじゃ到底、敵わねーわ」
って思える写真をバンバン撮って、色々な所に出して下さい。宜しくお願いします。
庶民の私達には、宝くじでも当たらなければ、なかなか買えない贅沢品価格ですので、買える方々に教えて頂きたいのです。何故なら、今のままでは宝くじに当たっても絶対にLEICAのデジカメなんて買いたいと思わないないだろうな…という印象しかないので。
寧ろ、75万円もあったら岩合光昭さんの写真を観てオリンパス(マイクロフォーサーズ)のフラッグシップと贅沢レンズでも揃えてみようかな?と思ってます。