世界的な半導体不足の影響で突然生産終了となったD500。キヤノンユーザーですら「APS-CのAF最強機」と言って憚らない程のAF性能は、前フラッグシップのD5譲りの高性能ぶり。高級ミラーレスであるZ9の好調で、手持ちの半導体を全てZ9とZマウントレンズに割り当てているので、その煽りで突然絶版となった格好ですが、その性能は疑う余地はありません。
同じAPS-CのD7500もハイアマチュア機で高画質ですが、AFの精度と速さは比べるべくもありません。
逆に、野鳥や、頭上をアクロバット飛行でパスする航空ショーなど、素早い動体を撮らない人はD7500で充分だと思います。必要のない、使わない機能がオーバークオリティであっても、投資する意味はあまりないからです。
生産終了のアナウンス直後から、最安17万円台だったD500は高騰しました。中古相場も一気に上がり今やAmazonの中古業者ですら18万円台になっています。恐らく連写性能などのスペック買いで動体撮影しない人も購入されてるだと思いますが、筆者のような野鳥撮りたい人には必須なのがD500。個人的な理由で(引っ越し)配達を延期していましたが早めに抑えておいて正解でした。
画素ピッチに余裕のあるフルサイズであるDf と、超望遠が有利なAPS-Cの最強AF機のD500。棲み分けも良い感じになったと思います。
AFの精度、速さはだけでなくミラーバランサー搭載で連写してもミラーショックの小ささに驚きます。(因みに現フラッグシップであるD6のミラーショックの小ささは驚愕のレベルです)
取り敢えず、試し撮りに出てみます。カラスやシジュウカラでも良いので動体でテストしたかったのです。シジュウカラを達が大勢飛んでいる木を見つけて、いざテスト…という時に彼等の鳴き声が代わりました。
ヒーッ ヒーッ ヒーッ ヒーッ
これは単語でコミュニケーションを図っている事が研究で解ってきているカラ類の「鷹だ!」(空から狙ってくる奴だ!)の鳴き声です。見上げると鷹が上空を飛び去り、隣の雑木林に舞い降りるのが分りました。
まだシャッター半押しAFの解除すら設定してませんが、このチャンスを逃す手はありません。急いで近づくと番で鳴き交わし始めました。鳴き声はオオタカです!
鳴き交わしているので容易に見つけられましたが、複雑に入り組んだ細い枝越しにしかアングルがありません。
NikonD500 + SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM
これまでのDf なら遠過ぎ+AFが迷子になりまくる感じですが、D500は瞬時に捉えました。フルサイズ換算900mmの引き寄せ具合も素晴らしいです。
今迄はSIGMAだから遅いのかとも思っていましが、精度だけでなくAF速度もDf とは比べモノにならないレベルでした。D500も2016年発売なので、決して最新ではありませんが、この時期の一眼レフのAFはゲームチェンジと呼べる程の進化があった時期。それを今になってまざまざと体感したという感じがします。
NikonD500 + SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM
ご覧の通り、ボカそうとしても消えないくらい前枝ですがピントはいとも簡単にオオタカを捉えてくれます。
ここで、一応の撮れ高(撮れ鷹)が確保できたので冷静にベンチで設定をカスタマイズしてみます。
つづく