独眼流正宗

独眼レフを操る 下手っぴ写真愛好家の場末の毒舌ブログです。「頭の中に漠然とある感覚や印象を、気分や感情に左右される事なく、言葉や文字に置き換える時に、それらは初めて明確な意思や思考になる。」そのための自己反芻のようなモノでもあるので、興味のない方はスルーして下さい。

動物園はコレ一本!標準域から超望遠まで…SIGMA 60-600mm活用術。

600mmと聞くと、野鳥や航空ショーなどを撮る人が使うレンズと考えがちです。野鳥は場所が限られますし、航空ショーは近場に限れば年数回。そんな被写体のためには中々手が出ないという方もいるのではないかと思います。

 

しかし60mmという標準域からカバーしているこのレンズは非常に便利な使い道があるのです。

そう、それは動物園です!

 

動物園というのは広角の出番は殆どありません。正直なところ、園の雰囲気を撮るためだけに広角域のレンズに付け替えるのは手間で、スナップ的な写真なら、最近の「風景に限れば高画質に撮れるスマホのカメラ」で撮ってしまった方が楽だからです。

家族のスナップ以外では標準レンズも殆ど出番はありません。

筆者も念のためNIKKORの24-120mmも持って行きましたが、出番は最後までありませんでした。

近くまで寄れるような動物は60mm付近で、柵と堀の向こうにいるような動物はズームを駆使すれば身体全体からクローズアップまで思いのまま。SIGMAの60-600mmのみで入園から退園まで撮りきれてしまいます。

 

(このページの画像は全てJPEG出し。Nikon Df にSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSMを装填して撮ったものです)

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全域でしっかりと解像しているので、思いのままの絵を切り取る事が出来ます。頭でっかちな知識先行で「F2.8通しのズームレンズこそが高性能」と思われている昨今、F4.5-6.3 は暗いと思われる風潮ですが、晴天の屋外だとシャッター速度を上げないとこれでも白飛びします。

当たり前の事ですが、動きを捉えるために動物園などでは絞り優先より、シャッター優先マニュアルで撮る事の方が多くなります。こんな時はつくづくDf のメカニカルな操作性のありがたみを感じます。

 

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AFも良好です。フェンス越しの撮影でもストレスなく動物達の速い動きをしっかりフォーカスしてくれます。手ぶれ補正も効きが良く、終始手持ちでの撮影にも全く不安はありません。

 

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トリミングしても、しっかり解像しているので破綻がありません。巷では解像力一点突破などと言われている最近のSIGMAですが、その評価に全く異論はありません。10倍の望遠域を持つ超望遠レンズである事がちょっと信じられない程です。

 

色味もあっさりしていて、とても使いやすいと感じます。なんでもかんでも現実離れした色とHDR過多にレタッチするような人には物足りなく感じるかもしれませんが、Lightroomなどで実際の色味に近づけるためにレタッチするような人には使いやすいレンズと言えそうです。

 

 

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柵の遠くに固まっていて、600mmでやっと狙えたフラミンゴもしっかり描写してくれています。


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コンクリートの人工の構造物が嫌なので、マニュアルでシャッター速度を上げて暗めの写真にして背景を潰してみました。600mmでも階調が穏やかで雰囲気の良い写真に仕上がりました。

 

 

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105mm、そしてワイド端である60mmでスナップ的に風景を切り取ってみましたが充分に実用範囲です。

防塵防滴のsportsラインなので、小雨混じりや風が強いシチュエーションなどでは、このワイド端60mmは強力な武器になり得ます。悪天候下で、こまめにレンズを変える必要が無いという恩恵は計り知れません。

 

 

 

ファーストインプレッションで「半日手持ちは考えたくない」と書きましたが、動物園のような、矢継早に被写体に巡り会えるシチュエーションだと、SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSMダンベルのような重さは全く気になりません。

重いことには違いはありませんが、それ以上にこのレンズが齎す楽しみや高揚感の方が遥かに高いと感じます。

 

鉄道、空港、航空ショー、サーキット、動物園、水族館などは必ず被写体に遭遇出来る撮影スポットです。そして、同時に様々な画角が必要になってくる撮影シチュエーションの宝庫でもあります。

SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSMは本当に便利な武器です。

一番のネックとも言える重さですが、被写体が常にファインダーに捉えられていれば、重さは全く気になりません。

 

様々な事を考えて、導入を先延ばしにしている方がいるとしたら、とても勿体ない。

確実に貴方の撮影モチベーションを引き上げてくれるカンフル剤、それがSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSMです。

 

 

テレ端の解像度は値段から考えたら驚愕のレベル!SIGMA 60-600mmの実力!

新しいオモチャを手にしたら、いじり倒さなきゃ気が済まない筆者。酷暑予報の中、SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSMのテストを兼ねて京王フローラルガーデンアンジェさんに行って参りました。

 

 

京王フローラルガーデンアンジェ

 

 

ここは、都内の公立の公園や植物園と比べたら規模は小さめですが超駅近です。昭和記念公園は広過ぎて花までが遠いですし、神代植物公園はバス必須。小石川植物園も最寄駅はどこなのか微妙…といった中、流石は京王グループの植物園。京王多摩川駅の改札口の直ぐ横に入口があるという好立地で、時期は微妙ですが、重たい機材を担いで行くには最適なスポットです。

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見ての通り、完全なバズーカ状態のウルトラヘビー級レンズ。しかも予報気温は35度。日向の簡易温度計は40度超の暑さの中で、あまりテストらしいテストは出来ませんでしたが。汗

 

 

先ずは、当たり前なのですが60mmと600mmの画角の落差に驚きます。一本のレンズでこれが賄えてしまう事に本当にびっくりします。

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Nikon Df + SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM +三脚

600mmで被写体を探して撮った後に、60mmにズームアウトすると、自分でもどこにピンを置いていたか判らなくなるレベルです。

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Nikon Df + SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM +三脚

どちらもテストなので絞り開放、JPEG撮って出しです。

小難しい事を考えずに、カメラを向けてパパっとこの写真が撮れたら、もう何も言う事ないです。あとはこのレンズをどう活かせる景色を切り取るか?ですから。

…と、言ってしまうとテストが終わってしまうので、もう少し真面目にやります、はい。

 

 

 

三脚に固定して全て絞りは開放で焦点距離のみ変えて撮影してみます。

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Nikon Df+SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM 60mm

 


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Nikon Df+SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM 150mm

 


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Nikon Df+SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM 400mm

 


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Nikon Df+SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM 600mm

 

芝生広場(ロウンガーデン)のベンチに座ったままで、こんな幅広く撮れてしまいます。普段はオールド単焦点でせせこましく動き回って撮影しているので、感覚的には「こんなに楽して良いのでしょうか?」といった面持ちです。

 

600mmの画像の説明板を切り出してみましょう。

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なんたる解像力!ハッキリと読み取れるばかりか、白いプラ板にテプラで作ったシールを貼っている事さえ解ります。

これが一切追い込まずにAF任せで撮れてしまう。時代は変われば変わるものです。

 

ネットの掲示板などには「◯mm辺りの描写が甘いから使えない」みたいに、自分はさも普段から良い機材を使っているかのような自慢気な書き込みを見掛けたりしますが、筆者はハッキリ断言します。

解像の高い 600mm単焦点と思って買ってもメチャクチャお買い得です!

 

 

 

さて、もう一つ皆さんが知りたい部分。2700gはどうなのか?に言及しましょう。

結論から言えば…「手持ちでもそこそこイケます!」です。

正直、半日手持ちなどは絶対に考えたくもないですが、被写体追っかけてテンション上がっている短時間なら全く問題ありません。

 

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全てNikon Df + SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM 手持ち撮影

手振れ補正が吸い付くように止まるので晴天なら撮りやすいと思います。

 

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全てNikon Df + SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM 手持ち撮影

また、600mmで寄ってもAFが迷う事なくサクサクとピントを合わせてくれるので手持ちでもストレス無く全域で撮影が楽しめました。

解像も全域で概ね良好です。これで満足できないという方々は、もう大三元と、一桁違う超望遠単焦点レンズ群を集めて頂くしか無いですね。

 

 

まだ、このSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSMというレンズの特性を掴んでいないので、作例というより手当たり次第に撮った画像群って感じですが、これからこのレンズの特性を活かせる被写体を探して、楽しんでいきたいと思っています。

個人的には値段以上の利便性と高画質を併せ持ったレンズだと思います。

筆者程度の技術レベルとセンスなら、十二分に楽しい写真活動の時間を提供し続けてくれるレンズだと思っています。

 

超望遠レンズが手元に無い人にとって、600mmという未知の世界は、きっと皆さんを新たなフィールドに連れて行ってくれること請け合いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM

山用ザックの記事で(購入予定)となっていたSIGMAの超望遠レンズが手元に届きました。

 

実はこのレンズ購入にあたり、カメラ仲間との写活旅費に積み立ててあったお金が一部使われました。

コロナ禍で写活旅行どころではなくなってしまい、行けない旅行の積み立てをプールしておいても意味がないという流れに。

「レンズなら近場の写活でも使い出がある」

との仏様のような御言葉を頂戴したので、積み立て金は、また毎月コツコツ貯める事にして、お言葉に甘えさせて貰いました。感謝感謝。

 

そんな紆余曲折もあり、晩秋くらいに購入予定だったレンズが9月頭に到着しました。

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iPhoneXと並べると巨大なのがよくわかります。NikonのカメラでもDf に装着している絵はあまり見かけないので少し新鮮ですね。

Sports 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM Nikon Fマウント

Sports 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM Nikon Fマウント

  • 発売日: 2018/10/26
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

 

このレンズを導入するに辺り、比較検討したのが約4年前(Contemporaryは3年半前)に先行して発売されていた、同じSIGMAの600mm望遠レンズであるSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM でした。

 

SIGMAのプロダクトラインには、Art、Sports、Contemporaryという3つのラインアップがあります。

大まかに、標準、広角域がメインのレンズにおいて画質を徹底追求したものがArtライン。信頼性や堅牢性など細部にこだわったSportsライン。携帯性や機動性、買い求めやすさなどのバランスを重視したContemporaryラインという感じです。

望遠レンズの最上位はSportsラインということになります。

 

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports S014 | Canon EFマウント | Full-Size/Large-Format

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports S014 | Canon EFマウント | Full-Size/Large-Format

  • 発売日: 2014/10/24
  • メディア: エレクトロニクス
 

150-600mmはContemporary とSports で全く同じ焦点距離と開放値ながら別開発の中身は全く別物という二本立てになっていました。

風景や静止した被写体ならContemporaryラインで全く問題ありませんが、AF性能とレンズ構成の違いから画質に若干の差がありました。

 

 

 

実は、60-600mmが出た事で150-600mm Sportsラインの中古は10万円前後で売られています。

実は同じSportsラインなら60-600mmより設計に余裕がある150-600mmの方がテレ端の画質は数値上良いというアナウンスがされているという話もあったのでかなり悩みました。

しかし、4年後に出た60-600mmの方がAF性能的に優れていて動体撮影に有利な事と、150-600mmのSportsラインはフードも含めて金属パーツが多様されていて、タフネスと引き換えにレンズの単体重量が3kg超えなため、機動性に不利との結論に達し、こちらを導入しました。

 

直進ズームの採用も購入の動機です。SIGMAのレンズはズームの回転がNikon純正と逆になるのですが、この60-600mm は直進ズーム的に使えるのではなく、メーカーが公式に直進ズームであると公表しています。やはりメーカーが公に謳っている方が安心感が違います。

 

外観と重量について

気になる重さについてですが…2700gは覚悟していれば、それほど気になりません。持ちにくい2リットルのペットボトルの方が重く感じるくらいです。

サイズ感は、それまで使っていたカメラバッグが買い替えを余儀なくされる大きさです。付属のケースはレンズの保護最優先で携行性は全く考えられていない!と、断言して良いほど巨大です。

 

描写と手振れ補正

後日、改めてテスト撮影の記事を上げますが、テレ端、ワイド端、双方極めて良好です。収差も、この倍率としては秀逸と言って良いと思います。巧みに抑え込まれていて感心します。

手振れ補正は賛否の評価が割れているようですが、日頃からオールドレンズを多用する筆者にはファインダー内の像が吸い着くようなイメージ。

この手振れ補正があるなら、短時間なら手持ち撮影も可能な気がします。いずれにしても一脚や三脚と併せて使う事の方が多いレンズだと思うので、性能的には必要充分と思われます。

 

フードと三脚座

ネジで固定するフードは使い易いですが、サイズがかなり巨大になるので収納場所に困ります。ガスボンベのOD缶が余裕で入るサイズなのでバックパックがバルトロの時はともかく、カメラバッグの時の収納場所が難点です。

三脚座はおごった作りです。90° 毎にクリックが付いていて節度感が心地よく、きっちりと手を抜かずに作り込まれているな…という印象。

アルカスイス規格の雲台やクランプにそのまま装着可能なのも筆者にとっては使い勝手が良いです。

実は三脚座というのは、個人的に結構重要なパーツであると思っています。移動時の持ち手にも使うし、殆どの一眼レフカメラにおいて卓上に置く際には三脚座でバランスを取ります。

使い勝手という部分で、商品価値にとても左右するパーツであると筆者は考えていますが、メーカーもその辺りは承知しているのでしょう。別売のベースプレートのラインナップもしっかり用意されています。

 

AF性能

AFに関してですが、製品に異常が無いか?程度のテスト段階ではとても素早く正確です。音も静かで動画撮影にも充分対応できる静音設計だと言えます。

もう少し、しっかりテストしてからになりますが、現段階ではメーカー純正と比較して不利になるような部分は感じません。

 

 

では、実際の作例などは後日の記事で。

 

野鳥撮影とカモフラージュについて。

筆者は一時期、微力ながら、バブル期の無謀で破綻した計画を推し進めて、採算の取れないゴルフ場になりそうだった、オオタカや野鳥の生息地の保護、保全活動などをしていました。

鳥に関しては、被写体にしてこなかっただけで今までもそれなりの接点があります。

 

はっきりと言います。鳥の目はとんでもなく良いし、暗くなっても見えます。迷彩服とか迷彩の幕でバレてないと思ってるのは人間側だけです。

ですから、野鳥の保護活動家は軍服も着ませんし、持ち物をカモフラ柄で覆ったりはしません。

写真愛好家だけスナイパー気分でそんな事をして自画自賛して自分に酔っているだけです。

普通の服装で森に入って、間近で観測しても、鳥側が危険を感じなければ警戒レベルは低いものです。

要するに鳥は野生の動物で、撮影しようと忍び寄って狙われている感覚を感じとるのだと筆者は考えています。

その証拠に、わざわざ里山に巣を作るサシバような猛禽類もいます。

 

事実、私が観察していたオオタカは、慣れてくると我々を全く意に介さず子育てをしていました。こちらの服装が赤いマウンテンパーカーでも全く気にする素振りを見せませんでした。

しかし、良いポジションで撮影しようと、いつもの獣道から外れて近づこうとした某局から取材に来たテレビカメラマンが、瞬間的に警戒されたのをこの目で見ています。この方は、野生動物の専門ではなく報道のカメラマンでした。

野生動物にはパーソナルエリア…つまり安全圏の確保が必ずあり、そこを越えてくる動物に対して警戒するのです。

ガゼルもシマウマも、ライオンが一定距離を保っていると位置取りは気にしますが、慌てて逃げたりせず草を食べてのんびり寛いでいるのをテレビで見かけることはありませんか?あれと同じなのです。

私の経験上、その鳥のパーソナルエリアを侵さなければ、バレバレの迷彩服でも、普段着でも然程警戒されません。

 

その反面、エリアに侵入してきた者に対しての警戒度はハンパありません。

考えてもみて下さい。なにかが小枝を踏み鳴らしたり、落ち葉をガサガサ言わせながら、ゆっくり忍び寄ってきたら…我々人間だってもの凄く怖いですから。

 

ネットで「自分はオール迷彩で装備したのに、普段着に黒レンズの奴が来て逃げられた」みたいな書き込みが結構ありますが、警戒されたのは格好ではなく、撮影しようと躍起になって、その鳥のマイルールを破ったからです。

それと、全身迷彩服で、カメラまでカモフラ柄にして撮影スポットの常連ヅラして他人の装備に文句を言ってくるような年配男性が偶に居たりしますが、鳥の事は全く知りもしないし、鳥の気持ちを慮る事すらしない、機材自慢がしたいだけの人なのだと筆者は思っています。

ナショナルジオグラフィックワイルドライフとかの番組内で、現地の案内役の保護活動家の方々は迷彩服なんて着てますか?

長期定点取材の際に、研究家や保護活動家が、カモフラージュ柄のテントなどから観察、撮影するのは、鳥を不快な気持ちにさせないため。

そして野生動物のエリアに踏み込んでいるわけですから、全ての周辺環境への配慮であって、あれがバレてないわけでは決してありません

虫やカエルなどの小動物が夜行性なのは、少しでも鳥の目から逃れるため。保護色にしたり日中は動かず隠れていないと、あっと言う前にゴハンにされてしまいます。

ガサゴソ動く巨大なカモフラージュの服や幕がバレないと思ってるなら愚の骨頂。

大切なのは、人間のエリアではなく、野生動物のエリアに入らせて貰っているという配慮であって、お金を掛けた装備ではありません。

 

 

 

 

 

 

 

登山にカメラを持ち込むためのバックパックを真剣に考慮した結果…②

そんなこんなでバルトロ75 というポテンシャル高過ぎなバックパックを入手したのが前回の記事でしたが、纏まった休みを利用して早速「日帰り軽登山」で使い勝手をチェックしてみました。

 

カメラを持つとはいえ、軽登山に75リットルは大袈裟に思われるかもしれませんが、ハイカットのトレッキングシューズも持参するので荷物は結構パンパンになります。

 

登山靴は家から履いていけば良いという方も多いと思いますが、縦走しないと辿り着けないようなガチな山はともかく、初級〜中級者向けの山は登り始めから全体の1/3くらいの行程が舗装された林道だったりします。

この舗装路の急坂がトレッキングシューズだと結構な負担だったりするのです。正直、ソールの柔らかいベアフットスニーカーの方が圧倒的に楽です。特に帰路…下りは顕著です。

荷物の重量を減らしたいのは山々ですが、身体への負担が少ない方法を選ぶのも筆者のようなブランク有りまくりのゆるクラ△には非常に大切なファクターだったりします。

 

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左からKarrimor trim25、GREGORY BALTORO75、JackWolfskin ASI(約40L)

 

先ずバルトロ75 を使ってみて一番感動したのは、背中への密着度の高さ。ポイント、ポイントの「点」ではなく背中という「広い面」で重量負担を分散させることが出来る点です。

ヒップベルトとショルダーハーネスをメインにして支えるだけでなく、ザック全体が背中に密着するか?しないか?で、荷重の分散がかなり変わるものです。

 

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Nikon Df + NIKKOR-S Auto 50mm F1.4

 

軽登山とはいえ、時期的にこの上ない猛暑。コロナ禍も相まってか、道中ただの一人とも遭遇しない登山には不向きの天候。

途中、給水出来る場所がないため、ハイドレーションバッグも用いてかなりの水を担いでの登山になりましたが、上半身への重量負担が殆ど感じられませんでした。

勿論、プラス10数kgを背負っているわけですから鈍っていた脚と中臀筋あたりへの負担は相当なものでしたが、上半身は翌日にも疲れが溜まる事なく快適なのは驚きました。

荷物の出し入れをして、再度担ぎ上げる時に「こんなに重かったのか…」と面食らうくらいの重量でしたが、担いでしまえばフィットして荷重を巧みに分散してくれます。

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Nikon Df + AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR

 

 

 

小物の収納場所が多いのも使い勝手の面で秀逸です。

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特に雨蓋の部分の収納が2気室になっているのが何より気に入りました。直ぐにアクセス出来る雨蓋部の収納は便利なのですが、荷物を詰め込み過ぎると上方が重くなって不安定だし、逆に少なくても荷物がポケット内で動いてしまって気になったりします。

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結局、本当に入れたいモノとは違うモノを入れてバランスを取ったりしてしまうこともあるので、バルトロのように2気室になっていると本当に重宝します。

 

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両サイドの縦長の収納は、登山系のWeb記事では「必要性がわからない」と書かれているものも見かけましたが、筆者は軽量のレインジャケットや虫除けスプレーなど、さっと取り出して使いたい物の収納に非常に役立っています。

600ccクラスのペットボトルも楽々入る縦長のポケットはかなり重宝すると思うのですが…。

バルトロは欠点らしい欠点が無いので、記事的に中立性を持たせるために重箱の隅をつつくようなマイナスファクターを書く必要があったのかとも思いますが、個人的にはこの左右の縦長ポケットはとても便利です。

 

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Nikon Df + AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR

 

 

 

ただし、初めてこのサイズのバックパックを買われる方はくれぐれも注意して下さい。自宅でパッキングして担いでみると意外なほどに軽く感じてしまうので、ついつい詰め込み過ぎてしまうかもしれません。

軽く感じるだけで、実際はバックパック+詰め込んだ荷物分の重量を持つわけですが、バルトロは「もっといろいろ持てるのではないか?」と、思わず過信させてしまい兼ねないほど荷重分散が巧みです。

良いバックパックを買ったからといって、一夜にして自らの体力が上がるわけではありませんから、現地に着いて緩やかな坂に差し掛かっただけで下半身が悲鳴をあげる…なんてことになるやも。そうなったら引き返すか、荷物を棄てて軽量化するしか方法はなくなります。そんな事にならないよう気を付けなくてはなりません。

そんな事にならないよう、筆者はよく装備と同じ重さの荷物をザックに入れて、城山ワークアウトと称して近場の丘陵地帯を歩き回って鎌倉時代城址などを散策したりしています。

あまりの装備なので、たまたま遭遇した人にはトラバースの最中の寄り道だと思われて声を掛けられたりして、たまに困る事がありますが。笑

 

 

 

 

また、今回のテスト軽登山では、半信半疑で導入した首の負担がZEROフックがかなり有用だったのも負担軽減に役立ちました。

HAKUBA 首の負担がZEROフック KH-STH

HAKUBA 首の負担がZEROフック KH-STH

  • 発売日: 2013/09/18
  • メディア: Camera
 

見るからにただのフックで、使ってみるまでは判らなかったのですが、これがびっくりするほど快適です。重さだけでなく汗をかくこのシーズン。もはやこのフック無しでのカメラ携行は考えられない程、費用対効果の高い製品でした。

 

 

それと、街歩きの時にも首から下げたカメラのグラつきが気になることがありますが、山歩きの最中は両手が塞がってカメラが手で支持できない事が多々あります。短い急登でもカメラが不安定だと登り難いですし、大事なレンズやカメラを岩や木にヒットさせて壊したりしないようにホルダーやホルスターは有用だと思います。

カメラが壊れる程度で済めば良いですが、切れ落ちた場所でバランスを崩したら大怪我をしたり、場合によっては命に関わります。

初心者向けと言われている山でも狭い登山道を踏み外したら急斜面を真っ逆さま…みたいな箇所は幾らでもあります。安全のためにもカメラを安定させるなんらかのアイテムは必要不可欠な装備のひとつだと思います。

 

さあ、あとは体力だけだ!笑

 

 

 

登山にカメラを持ち込むためのバックパックを真剣に考慮した結果…①

登山といっても、筆者はガチ登山をするわけではありません。過去の怪我のせいで右手首の稼働率は50%以下ですし、握力も落ちています。物理的に頂上には到達出来ないケースも多々考えられるため、登山といいながら「ゴールは山頂でなくてはならない」とは考えていません

 

今風の表現でいえば、ゆるゆる系クライマー…略してゆるクラ△です。

 

固有種の高山植物帯を目指したり、頂上を望む沼や池などがゴールでも良いではありませんか!つまり写真活動の一部に山登りがある…みたいな考え方です。

 

とは言え、山は舐めてはいけません。死にます!

 

それなりにきちんとした装備に、プラスアルファでカメラを携行するとなると、ゆるクラ△とは言え荷物は大量です。カメラメインなのに替えレンズも持たずに行っては本末転倒。8割がバスとケーブルカーで登れるような日帰り可能な山であっても雰囲気は縦走レベルの荷物量になってしまいます。

 

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悩みどころはバックパックです。山用のバックパックカメラを持つ事など一切考慮されていません

容量は大きくても雨蓋の開口部からギュウギュウと詰め込むようなタイプではカメラやレンズの取り出しは不便極まりない。

サイドジッパーがあっても、文字通り欲しいものを引っこ抜く程度の開口しかしませんので、インナーケースからカメラを取り出すなど完全に不可能です。

 

 

最終的なカメラ装備の構想は

Nikon Df

◯AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR

SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM(購入予定)

◯Micro-NIKKOR-P Auto 55mm F3.5

◯三脚

を常備品として、シチュエーションによって追加レンズも…と考えているので相当な容量と重さになります。

山に600mmは要らないだろ…と思う方が多いと思いますが、将来的に雷鳥や珍しい動植物などに遭遇できるような山登りをしたいと思っています。その際、登山道を外れて貴重な高山植物を踏み荒らしながら被写体に近づくような事をしたくないので、私の中では数少ないチャンスを逃さないための必要な装備と考えています。

 

 

 

そこで、山の専門店や大型カメラ専門店に可能な限り足を運びまくってカメラメインの登山用バックパックを3種類チョイスしてみました。(これはコロナ禍になる前に終えている作業です)

 

先ずはカメラ専用のバッグメーカーでもあるHAKUBAのGW-ADVANCE アルパイン40(生産終了)です。

https://www.biccamera.com/bc/item/3315022/

Amazonでも1万円以下で投げ売られていた事もあった、カメラバッグ的には見向きもされないほど巨大なカメラリュックです。

サイドからカメラが取り出し可能な3気室タイプですが、カメラ部分の容量が小さいだけでなく、実店舗で背負った感覚は登山用としては微妙な背負い心地。とても重たい装備を詰め込んで長時間に渡って山道を歩けるとは思えませんでした。これは、あくまで個人の体格も左右する感想ですので、このバックパックが身体にフィットして愛用されている方は、お気を悪くされないでください。

グレーにオレンジの配色も好みで、これが身体に合えばリュック沼に嵌る事などなかったのですが、合わないものは仕方ありません。

 

 

次に候補に挙がったのは、アウトドアメーカーであるTHE NORTH FACEのカメラ用バックパックです。

 

 

HAKUBAと同じく、サイドからカメラの取り出しが可能な3気室タイプ。見た目も良く、アウトドアメーカーで期待しましたが、背中の部分がハイキング用のバックパックのような平面スポンジで、これでは蒸れて不快です。

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出典:THE NORTH FACE brand official websiteより

 

25L程度のハイキングや普段使いのバックパックであっても、この手の作りだと暑い季節は背中の蒸れが気になってしまいます。カメラと山装備ではとても長い距離を歩けるとは思えませんので、こちらも却下です。

 

 

 

最後に残ったのは、背負い心地はバックパック界のロールスロイスとまで謳われるGREGORYのBALTORO(以下、グレゴリー バルトロ)です。

 

 

 

グレゴリーのバルトロシリーズは発売以来改良を重ね、2015年にリリースされたこのモデルは世界中の有名アワードを総なめにした大容量バックパックの王者と呼べるような存在です。

肉抜きして若干軽量化をした現行モデルからは型落ちにはなりますが、こだわり抜いたフィット感は、他のメーカーでは端折られているようなアジャスター等を含め、どんな人にも最適を探せるのではないか?とすら思う仕上がりです。

 

本来、カメラの事は考えられてはいない完全な山用の大容量バックパックですが、カメラバッグのような背面がカバっと開く山用としては珍しいタイプです。

これならリュックの中段に入れたインナーケースにも直接アクセス可能。専用ケースに入れた大型レンズの取り出しも容易です。

この背面開口機能ですが、最初は「要らない」と思って買った登山好きな方々にも非常に好評なようです。トップの開口部から物を詰める…に慣れてしまって、実際に使うまでは背面開口は必要ないと思ってしまっているようですが、中段の荷物に直接アクセス出来るのですから不便な筈はありません。

 

ネックは重さ。大型のバックパックとして決して重いというわけではありませんが、2.6kgはやはりヘビー級。カメラ本体とSIGMAの60-600mmを入れただけで6kg超の重さになってしまいます。

 

しかしフィット感は重さを凌駕します。

世界的なクライマーであり、グレゴリーブランドの創始者であるウェイン・グレゴリーバックパックは着るものである」との名言を残しました。

そしてそれを証明するかのように、1970年から、内部フレームを身体のサイズを測って製造する、まるでテーラードのようなバックパックの販売を始め、後にブランド化しました。それがこのグレゴリー・マウンテン・プロダクツ(Gregory Mountain Products)のルーツなのです。

はっきり言えば、このバックパックゆるクラ△の筆者にはオーバークオリティの極みです。

カメラで喩えれば、スマホ撮影から突然Nikon D6、車に喩えれば免許取り立てでランボルギーニを買うような暴挙です。

しかもバルトロ75は、これさえあればヒマラヤすら行けるとまで言う登山家の方もいる本格派。本来はゆるクラ△が持っていては宝の持ち腐れかもしれません。

しかし、背面がガバッと開くのがコレしか無いので仕方ないじゃん!って事で、中古ながら購入させて頂きました。

 

ガチ縦走とかをしていて、次の買い替えの時にはバルトロが欲しいと考えていらっしゃるガチクライマーの皆さん。本当にごめんなさい。

 

これが、本当に凄い!

 

2690gという重さを全く感じない。身体に程良く合った皮のコートを着てる感覚と言えば判るでしょうか?ハンガーにかけて持つと凄く重く感じるのに、着てしまうと重さを感じない、あの感じです。

ショルダーハーネスやウェストベルトが独立して動くことがフィット感に大きく貢献していると思います。腿上げ動作を多用するガチクライマーの皆さんから絶大なる支持があるのも頷けます。

 

唯一の難点は、2015年モデルはヒップベルトポケットの大きさでしょうか。スマートフォンが巨大になり過ぎた為にこの大きさでは収納できません。財布や鍵入れとして利用したり、ガムや飴などの入れ場所と考えれば必要充分ではありますが。

 

なんにせよ、噂に違わぬ運搬の道具としての秀逸さでした。

パッキングが完成したら、詳細写真と共にまたブログに上げようと思います。

 

 

 

 

Micro-NIKKOR-P Auto 1:3.5 f=55mm

実は、筆者は非常に限定された被写体のために写真趣味をしていた為、長年「花」というものの撮影に興味がありませんでした。

 

必然的にマクロレンズも、機能の一部にマクロ機能があるズームレンズくらいしか所持していませんでしたが、撮影仲間が出来た事で花の撮影にも段々と興味が沸き、今では様々な花が咲く、それぞれの時期を心待ちにする程に。

人間、環境が変われば価値観も変化します。全く興味すらなかった植物でしたが、今では道端の草木に季節の移ろいを感じて、注視しながら歩いているのですから、変われば変わるものです。

 

そうなってくると、やはりマクロレンズNikon的に云えばマイクロレンズが、欲しい!…となるのが人の常。

接写リング付きで程度の良さそうな出物があったのでオークションで入手してみました。

 

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Nippon Kougaku Japan時代のMicro-NIKKOR-P Auto 1:3.5 f=55mmとM2接写リングです。

 

折角なので、季節モノの向日葵で実写テストをしてみました。掲載した写真は全てJPEGLightroomで露光量を少し弄ったものがある程度です。

 

先ずは55mm単焦点として。

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ゴミではなく上空を舞う何かが映り込んでます。

 

寄ってみることにします。

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更に、M2接写リングでミツバチ君に寄ってみます。

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当然の事ながらマニュアルフォーカスなので、蜜集めに夢中であまり動きが激しくないミツバチ君であればフォーカス出来るのですが、捕食者に怯える俊敏な昆虫の撮影は難しい筈です。

 

ただ、一言だけ言わせて頂くとすると…

マクロ楽しい…です。笑

もう昆虫ばかり接写して撮りたくなるほど面白い。知らなかった写真の楽しさを、このキャリアになって再発見です。汗

 

 

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駅のホームの待合室で手持ち撮影したJPEG撮って出しですが歪曲収差がかなりきっちりと抑えられているのが一見して判ります。

解像力も当時としては群を抜いたレベルだったのも肯けます。

 

 

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御岳山のレンゲショウマも撮ってみました。今年(2020年)から三脚使用禁止(午前9時から午後3時)になってマクロ撮影には不向きでしたが、森の妖精、森のシャンデリアと呼ばれる可憐な花は本当に撮っていて楽しかったです。

三脚で追い込めれば更に楽しい撮影になったと思いますが、ルールなので仕方ありません。

ルール変更を確認してないのか、狭い遊歩道を三脚と身体で完全に塞いで、通りたい人が待ってても、ずっと撮影に没頭している人も何人かいたので、アレでは本当に迷惑で禁止になるのも頷けますね。

 

 

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55mmは単焦点このような風景にも威力を発揮します。JPEGで色補正は全くしていませんが、発色もメリハリが効いていて非常に良好です。

 


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絶景や美しい花ではなく、脳内補正の効かない被写体にしてみました。通常の室内光で撮った輻射体温計ですが、発色、プラスチックの質感、共に申し分なしです。

 

 

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Nikonマクロレンズをmicro-NIKKORと呼称するのは、アメリカで開発されたマイクロファイルシステムで歴史的資料や書物を撮って、記録したり保管する為でした。

アルファベットやウムラウト程度しか使わないアメリカやドイツの当時の光学レンズはお粗末の一言で、漢字を判別出来るレベルではなかったそうです。そこで漢字をきちんと判別出来る高精度の記録用レンズとして開発されたのがNIKKORのマイクロレンズでした。

 

筆者が入手したのは昭和38年から販売されたオート絞り機構を備えた最初期のタイプで、このモデルは基本設計を変える事なく19年もの間販売され続ける事になる銘玉中の銘玉。

後継であるAi Micro Nikkor 55mm F2.8の開発が如何に過酷であったか?…は、フォトライフ - ニッコール千夜一夜物語 | Enjoyニコン | ニコンイメージングに詳しく記載されているので、興味のある方はこちらをお読み下さい。

 

 

60年以上前のレンズですが、その凄さには圧倒されました。Df は画素数こそ大した事ありません。それでも最高品質のフィルムがおよそ1000万画素相当と言われているので、細密さはフィルムを遥かに超えています。

しかし、そんなハンディを物ともせずにこれだけの描写力を発揮しているこのレンズは、日本の当時の光学技術の精度が如何に優れていたか?の証明と言えるのではないでしょうか?

 

Micro-NIKKOR-P Auto 1:3.5 f=55mm恐るべし!

 

そしてオールドニッコール恐るべしです。